暗号資産取引で税金対策するには? 効果的な3つの方法を紹介

暗号資産取引で税金対策

暗号資産にかかる税金は株式投資やFXと比較して不利と言われており、投資家としては少しでも所得額を低く抑えたいところです。今回は暗号資産の税金対策として効果的な3つの方法を紹介していきます。

暗号資産にかかる税金は最大で約55%

暗号資産取引によって発生した所得は原則として雑所得に区分されます。雑所得は総合課税の対象で、給与所得などの他の所得と合算した上で税率がかけられます。

また、累進課税であるため、所得が大きいほどかけられる税率が高くなり、最大で45%、住民税も含めると最大で約55%の税率がかかります。

国税庁:所得税の税率

一方で、株式投資やFXなどでは、給与など他の所得とは分けて税率がかけられる「申告分離課税」で、税率は一律で約20%となっているため、一般的に暗号資産は税制的に不利であると言われています。

暗号資産投資で税金対策するには?

ここからは、暗号資産投資家が税負担を軽くするために知っておきたい3つの税金対策の方法を解説します。

1. 含み損のある通貨を売却して利益を圧縮

まずは暗号資産取引を行っている投資家全員が知っておくべき利益額の圧縮についてです。

暗号資産の損益計算は通貨ごとに行い、最後にそれぞれの通貨の損益額を合算して全体の損益額を算出します。

例えば「BTCでの利益300万円」「ETHでの利益200万円」「XRPでの利益100万円」の場合は3つの通貨の損益額を足し合わせた600万円が全体の利益となります。

この時点でBCHで200万円の含み損を抱えている場合、保有しているBCHをすべて売却すると200万円の損失が発生するため、全体の利益額を200万円圧縮することができます。

■利益圧縮の流れ

①損益計算ツールで計算を実施

Aerial Partnersが提供しているGtaxなどの損益計算ツールを利用し、全体の損益額を確認します。

※計算は年末に実施することを推奨します

②保有している暗号資産の含み損益を確認

Gtaxなどの損益計算ツールを利用すると、全体の損益だけでなく、保有している各暗号資産の含み損益の状況がわかります。

ポートフォリオ全体で利益が出ていて、含み損のある通貨が一つでもある場合は利益の圧縮が可能なので確認してみましょう。

③含み損がある暗号資産を売却

損益計算ツールで確認した含み損のある通貨を売却して損失を確定させます。

④売却した暗号資産をすぐに買い戻す

最後に売却した暗号資産をすぐに買い戻します。そうすることで暗号資産の保有状況はもとに戻り利益額だけ圧縮することができます。

※売買手数料がかかるため、売却した暗号資産が今後必要ない場合は必ずしも買い戻す必要はありません。

2. 法人として暗号資産取引を行う

暗号資産で大きな利益を出している投資家は、法人化することで税負担を抑えることができる可能性があります。

本記事で説明したように個人での暗号資産取引による所得には住民税も含めると最大で約55%の税率が課されます。

一方で法人税の税率は最大で23.2%、法人税だけでなく、住民税及び事業税も考慮にいれた法定実効税率は最大で34%程度*です。そのため、利益が大きくなるほど、個人での取引と比較して税負担を低く抑えることができます。

*資本金1億円以下の中小企業、東京都の場合。会社規模や都道府県により実効税率は変わります。

その他、損失の繰越や他の事業所得との損益通算などのメリットがありますが、設立費用や会社維持費がかかるなどのデメリットもあります。法人化することでどれほどの税金対策の効果が得ることができるかについてはその他の所得状況や暗号資産の取引状況によって異なるため、税理士などの専門家に相談の上判断することを推奨します。

3. 暗号資産取引の際にかかった経費の計上を行う

暗号資産取引を行う上でかかった各種費用について、必要経費として計上することが可能です。

経費として計上できるものには、暗号資産取引のみに使用するパソコンの購入費やインターネットの回線料金、マイニング機器の購入費用などが挙げられます。また、暗号資産取引の損益計算を行うために利用したGtax等の損益計算ツールの利用料も経費の範囲に含まれると考えられます。

経費として認められる支出の範囲については明確な決まりがなく、個別での判断となるため、税理士や税務署に相談することを推奨します。

利益の大きさに関わらず税金対策できるか確認を

今回は暗号資産取引の税金対策について解説してきました。「法人化」については利益額が大きい人向けであるため実施するべき人は限られますが、「利益の圧縮」と「経費の計上」については利益の大きさに関わらず誰もが検討すべき税金対策です。

特に利益の圧縮については、全体の利益額と暗号資産の含み損益の状況によっては年間の税額が数十万円から数百万円以上の単位で変わってくることもありますので、年末のタイミングでGtaxなどの損益計算ツールを活用して利益額を圧縮できるか確認してみましょう。

(つづく)

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寄稿

この記事は株式会社Aerial Partners(エアリアル・パートナーズ)の寄稿記事です。暗号資産(仮想通貨)の損益計算ツール「Gtax」はこちらから↓

面談な仮想通貨の損益計算ツール【Gtax(ジータックス)】

image/iStock:Photoplotnikov・kazuma-seki

この記事の著者・インタビューイ

Aerial Partners

設立2016年12月。ブロックチェーン企業の経営管理体制・経理財務フローの効率化を後押しするサービス『Aerial Data Management』の提供や、個人投資家向けの仮想通貨の確定申告をサポートする『Gtax』『Guardian』の提供、その他ファイナンシャルサポートを行う企業。

設立2016年12月。ブロックチェーン企業の経営管理体制・経理財務フローの効率化を後押しするサービス『Aerial Data Management』の提供や、個人投資家向けの仮想通貨の確定申告をサポートする『Gtax』『Guardian』の提供、その他ファイナンシャルサポートを行う企業。

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