パネルディスカッション
また、イベント後半ではパネルディスカッションを行い、「CryptoKitties」のBenny Giang氏に加え、Cryptoeconomics Lab CTO の落合渉悟氏、トークンポケット株式会社共同創業者中村昂平氏、Wei Walletの佐藤大輔氏、CryptoAgeの大日方祐介氏を交えながら、「CryptoKitties」に関する質問やブロックチェーンの将来についての議論をしました。
[パネルスピーカー]
Benny Giang氏 (CryptoKitties 共同創業者)
落合渉悟氏 (Cryptoeconomics Lab CTO)
中村 昂平氏(トークンポケット株式会社 共同創業者)
佐藤 大輔氏 (Wei Wallet)
大日方祐介氏 (CryptoAge)
Q. 落合氏:アニメ化はいつですか(笑)?
A. Benny氏:ハリウッドの複数のプロデューサーからネットフリックスで作品を作らないかという話が出ていますので、近い将来に実現するかもしれません。
Q. 中村氏:ガスはなくならないのですか?
A. Benny氏:ガスが無料になるということはまず考えにくいので、極力ガスがかからないシステムを考えるしかありません。しかし、そこはあまり問題ではないと思います。長期的に言えば、コミュニティを拡大することこそ優先されるべきであり、ガスの優先順位は我々にとっては低いです。
Q. 大日方氏:日本のコミュニティについての印象はどのようにお持ちですか?
A. Benny氏:仮想通貨取引では過去に色々問題がありましたが、今は規制がすごく進んでいると思います。さらに、Cryptoが生み出す世界に対して若い層が大きな熱意を持っていると思います。ただ、日本に足りないのは大手ゲーム会社の取り組みですね。
大手ゲーム会社がもっとブロックチェーンのゲームに興味を示せばきっともっと面白くなってくるだろうと思います。また、日本のコミュニティはどんどん成長していると思うので、今後はコミュニティの成長に加え、実際にどんどん何かを作るということも重要になってくると思います。
Q. 佐藤氏:Dappsがモバイルに移行するためのカギはなんですか?
A. Benny氏:ブラウザゲームが全てではありません。最初は既存のブラウザで練習のような感覚で「CryptoKitties」を作りました。将来的にブロックチェーンのゲームが勝つためにはゲームを始めるためのややこしい手間をなくし、プレイしやすいものにしなければなりません。今は仮想通貨の購入とか複雑な工程が多すぎますよね。
Q. 落合氏:AppleのAppStoreやGoogleのPlayStoreを使わないアプリがありますがCryptoKittiesはどうお考えですか?
A. Benny氏:来週、ちょうどGoogleに行くので非常にタイムリーな質問です。AppStoreやPlayStoreの構造や集約モデルには色々な問題があります。私たちのゲームはただのゲームではありません。いわばアセットを取引するプラットフォームのようなものなので、価値あるアセットの金額のうち約30%を取られてしまうのは果たしてどうなのか?という課題があります。現在GoogleやAppleに理解を求めている最中です。
Q. 中村氏:CryptoKittiesの非中央主権化についてどうお考えですか?
A. Benny氏:確かに完全な分散型ではありませんが、肝心な情報(取引や猫自体の情報)はちゃんとブロックチェーンに記録されています。十分な分散化がされていれば良いのであって、何もかも分散化すればよいのではありません。重要なのは中央集権と分散のバランスなのです。つまり、今後はブロックチェーンゲームをはじめデジタルアセットを管理するサービスを見極めるためにはどの情報がブロックチェーンに記録されているかをしっかり見る必要があると考えています。
Q. 参加者:スマートコントラクトを安全に構築するためにはどうすればいいでしょうか?
A. Benny氏:まずスマートコントラクトの開発にアジャイルの考え方は当てはまりません。スマートコントラクトをメインネットにデプロイするのは衛星を宇宙に打ち上げるのと同じようなものです。だって、後からどうすることもできませんから。したがって、安全なコントラクトを構築するためには、デプロイ前の徹底的な検証が必須です。
Q. 参加者:猫を「Non-fungible token」で持っていたとして、プラットフォームがなくなると消えてしまうのではないでしょうか?
A. Benny氏:それは当然そうだが、理想的な未来としては、様々な行動が色々なチェーンに登記されることや、多様なゲームが開発されることで、色々なサービスが猫の価値を保持してくれるようなことを期待しています。
Q. 参加者:AR技術をサービスに導入すると言っていましたが、それはどれくらい本気で言っていますか?
A. Benny氏:導入するとしてもそれは将来的になりますね。今とっても関心があります!
(イベントレポートおわり)