ポリゴンのトークン「MATIC」から「POL」への移行、何が変わる?

手塚康夫

「MATIC」から「POL」への移行、何が変わる?

先日、Polygon2.0の初めの段階となる「MATICからPOLへの移行」が行われました。これによりどんな変化があるかを簡単にまとめていきます!

1.発行上限の緩和

MATICはこれまで、Polygonネットワークのネイティブトークンとしてガス代やコミュニティへのグラントなどに利用されてきました。そしてMATICは発行時に決められた100億枚の発行上限があり、そのほとんどがこれまでに既に流通しています。

発行上限の設定は、インフレの抑制により価格の上昇を促す効果があります。その反面、新規に発行して流通できないということは、コミュニティの発展のための投資が難しくなるということも意味します。

今回ネイティブトークンがPOLへ移行することで大きく変わるのは、発行上限を廃止し年間2パーセントのインフレになるよう新規発行されるという点です。

この半分の1パーセントは、新たにサポートされるPOLのステーキング報酬として放出され、残りはコミュニティのためのトレジャリーに保管されるようです。これにより過度なインフレを抑えることを維持しつつ、POLの利用用途を増やすだけでなく、コミュニティの拡大もこれまで通り行われることが期待されます。

2.アップグレード可能に

Polygon Labsは、MATICに機能を追加するなどのアップグレードを行うために必要なアップグレードキーを意図的に焼却しています。そのため、トークンの設計を変更できず大幅なアップグレードに対応できない状態にありました。

POLへの移行が行われれば、今後Polygonエコシステムの変更に合わせてアップグレードを行うことができます。

今後の計画は?

上記2点がトークンのアップグレードによる主な変更点です。これらの変更点を元に、既にいくつかの計画が発表されています。

Polygon2.0では、Polygonエコシステムに接続されたブロックチェーンをAggLayerと呼ばれる技術で接続することでシームレスに利用可能にするという計画が進められています。

POLはマルチチェーンバリデーションを採用する予定であり、エコシステム内の複数のブロックチェーンのセキュリティを強化し、より効率的に報酬を獲得できるようになる予定です。

なお、移行に際してPolygon PoS上に保有しているMATICは自動的にPOLに変換されるため、ユーザーは何も操作をする必要はありません。

ただ、他のブロックチェーンで保有している場合や、取引所で保有している場合は手動で変換する必要があるケースもあります。ただ変換の猶予期間は約4年に設定されているため、ユーザーは焦って変換する必要はないとのことです。そのため期間内の望むタイミングで変換するというユーザーもいるかもしれませんね。

Polygon2.0はまだ始まったばかりで、これからも様々なアップグレードが予定されています。今後も発表を投稿でまとめていきます! 今後も読んでいただけると幸いです!

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この記事の著者・インタビューイ

手塚康夫

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

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