ブロックチェーンのL2、Rollupとは? OptimisticやZKのメリット/デメリットを解説

手塚康夫

ブロックチェーンのL2、Rollup(ロールアップ)とは?

ブロックチェーン、特にEthereum(イーサリアム)について語るにはL2(レイヤー2)について触れないことは難しいでしょう。

今回はこのL2のうち、特にRollup(ロールアップ)についてまとめていきます!好評でしたらL2のほかの技術についてもまとめるので是非シェアしてください!

まず始めにL2についておさらいします。L2とは、イーサリアムなどをベースのブロックチェーン(L1)として、その上に構築されたブロックチェーン(L2)のことで、主に機能の拡張やスケーリングを目的に開発されています。

EthereumのL2には主に、Rollup、Plasma(プラズマ)、State Channel(ステートチャネル)の3つの種類があります。
中でも今回紹介するRollupは、現在のほとんどのL2のコア技術として使用されており、その中にも2種類の技術があります。

現在一般的なRollupにはOptimistic Rollup(オプティミスティックロールアップ)と、ZK Rollup(ジーケーロールアップ)があります。この2つはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、多くのプロジェクトがそれぞれにあったものを選択しています。

Optimistic Rollupのメリット/デメリット

Optimistic Rollupは、OptimismやArbitrumが採用する仕組みです。この仕組みでは、レイヤー2ネットワーク上のトランザクションを集約したものをL1であるEthereumに保存します。そのトランザクションはすべて正しいという前提であり、不正を検証する期間が用意されています。

この期間中に不正が検出されなければそのままトランザクションが確定されます。これにより、比較的難易度の低い実装で低価格かつ高速なパフォーマンスが実現しています。

デメリットはトランザクションの確定に時間がかかることと、不正は検証する必要があるという部分です。

ZK Rollupのメリット/デメリット

ZK Rollupは、zkSyncやStarknetが採用する仕組みです。この仕組みでは、トランザクションを集約しオフチェーンで実行、それらのトランザクションが正しく処理されたものであるという暗号学的証明を発行しトランザクションを実行するのに必要なサマリーデータと共にEthereumに保存します。

この暗号学的証明の生成に、ゼロ知識証明(ZKP)を使用するためZK Rollupと呼ばれます。高速なトランザクション実行を行えるだけでなく、処理が正しいことが証明されているためトランザクションがすぐに確定することが大きなメリットです。

デメリットはゼロ知識証明を用いた証明の生成の実装難易度が高いため構築が難しいことと、証明生成の過程を含むため手数料が高くなる可能性があることです。しかしそのセキュリティの高さから、研究が進むにつれてこの仕組みを採用するL2が増加していくと考えられています。

このようにそれぞれにメリットとデメリットがあり、研究開発も進められています。どちらもこれから発展、進歩していくでしょう。またL2自体もEthereumが普及するにつれ需要が高まるため、さまざまな技術やプロジェクトが発表されると期待されています。

皆さんもL2についてぜひ調べてみてください!

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手塚康夫

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

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