米国承認のイーサリアム現物ETF、いつから取引? 「S-1」や「19b-4」フォームとは?

手塚康夫

イーサ現物ETFはいつから取引? 「S-1」「19b-4」フォームとは?

イーサリアム現物ETFに関して、米SECがブラックロックやフィデリティらの8銘柄の「19b-4」フォームを5月24日に全て承認しました。今年1月のビットコイン現物ETFの一斉承認に続く大きな動きです。

ではイーサリアム現物ETFの取引は、いつ米国で開始されるのでしょうか? これまでの5月の承認は難しいと言われていたこのETFに関して、今週頭からのリークや、そもその「S-1」や「19b-4」フォームが何なのか、解説していきます。

まずイーサリアム現物ETFに関して動きがあったのは日本時間5月21日未明、イーサリアムを中心とした暗号資産の価格が大きく上昇しました。朝起きてびっくりした方も少なくないでしょう。以下が当時のイーサのチャートです。

TradingViewより

以前からビットコインに次ぐ、第二の暗号資産現物ETFとして注目されていたイーサリアム。前述の通り、先週までは「ほとんど承認される可能性がないだろう」とまで言われていました。理由はイーサリアム財団への調査や、Consensys社へのWells Noticeなどが挙げられます。

期待感もある一方で、あんまり明るくないニュースも多かったので、相場も様子見な印象でしたが、それを突如覆すリークが今週頭に公開され、その期待から価格も上昇したのです。

その時のリークの具体的な内容は、「19b-4」というフォームの要求をイーサリアムETF発行を申請した企業向けにSECが通知したというもの。

「19b-4」とは、自主規制団体による規則変更案の提出を行うための申請書類で、イーサリアムETFを承認するために必要な重要なステップの一つであるといえます。

WSJが5月21日に対象の申請企業に対して修正と再提出の通知を行ったと報じ、イーサリアム現物ETFの承認がそんなに遠くないという予測が広がりました。そして本日24日、その「19b-4」が承認された流れになります。

なお米国以外でイーサリアムETFが承認された直近の事例も合わせてこちらから確認してみましょう。

ではすぐに米国でイーサリアム現物ETFは取引開始されるのでしょうか。一般的にETFの承認に必要なフォームは「19b-4」ではなく「S-1」というまた別のものです。まずは「S-1」を提出してOKをもらったら、「19b-4」を出して、確認したら「S-1」の最終承認に入るという流れです。

今週頭に報じられた「19b-4」の催促は、第一の関門である「S-1」フォームの仮OKをもらったも同然の状態と言え増田。そのため承認の確度は高いだろうと予想されていました。

振り返ると、ProSharesが管理しているビットコイン先物ETFの「BITO」は、19b-4の申請を行った2021年10月15日の4日後には上場しました。それを考えると、すでにビットコイン現物ETFが承認されている地盤を見ても、そう遠くはない未来になりそうです。ただしこれまで他のETFで数週間や数ヶ月かかった事例もあるため、引き続きそのタイミングには注意が必要です。

ビットコインとは異なる手段でローンチしたイーサリアム、長らく証券性の有無を議論される対象になっていましたが、今回の承認はその議論にも大きく影響を与えそうです。

今回各社の「19b-4」が承認されたことを受け、コインベースのCLO(最高法務責任者)Paul Grewal氏は「イーサリアムはコモディティとみなされるだろう」とXにてポストしています。

ビットコインに引き続き、米国でのイーサリアムの現物ETFの承認は業界にとって大きなニュースです。今後いつ取引が始まるのか、注目していきましょう。

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手塚康夫

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

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