EigenLayerの「EIGEN」、その役割は?
EigenLayer(アイゲンレイヤー)が4月30日、独自のトークン $EIGEN の発行とそのホワイトペーパーを発表しました。
エアドロップの開催や、その新しい仕組みが注目を集めているため、今回はこれについてまとめます。
EigenLayerについてはこちらの投稿で、仕組みや現状についてまとめているため、先にそちらを読むと理解が深まります。EigenLayerについては十分知っているよ、という方はそのまま読み進めてください!
EigenLayerではこれまで、預け入れ額と預け入れ期間に応じたポイント付与を行なっており、エアドロップが期待されていたためにユーザー数も多いプロダクトです。今回はこの期待通りエアドロップの開催が発表されたことになります。
発行されるトークンは $EIGEN で、EigenLayerが提供するセキュリティの貸し出しサービスで提供するセキュリティを強化するために使用されます。
しかしここでの考え方が革新的で、まだわかっていないことも沢山あります。ここからはこれについて少し詳しく見ていきます。
EigenLayerはリステーキングプロトコルであり、ETHをリキッドステーキングプロトコルに預けることで入手できるLSTをさらにステーキングさせます。このLSTをもとに、PoSブロックチェーンが生み出すセキュリティと同様のセキュリティを生み出し、これを貸し出しています。
このLSTのステーキングは、ETHを再びステーキングしているため、リステーキングと呼ばれます。
このリステーキングによって生まれるセキュリティは、数学的に証明できる「客観的な事実」で不正だと判断できる問題に対応するため使用されます。
これはPoSブロックチェーンで採用される、不正な計算やトランザクションを含んだブロックを生成したバリデータを、正しい計算結果をもとに罰する機能をベースに構築されています。
*現在このスラッシュ機能はアクティブになっておらず、今後アクティブになる予定です。
これに対し $EIGEN は、ビットコインの価値など、多数の主観的な判断の集合によって決定される「相互主観的な」問題について対応するために使用されるとのことです。
多数決によって決定されるフォークなどについてもこの相互主観的な問題と言えるでしょう。
EigenLayerはこの独自トークンのステーキングを提供予定で、このステーキングを「Intersubjective Staking(相互主観的ステーキング)」とブログで呼んでいます。
なおこれによって生み出されるセキュリティについても今後貸し出すことを予定しています。
このようにして二つの目線でのセキュリティを提供可能になり、EigenLayerが幅広いユースケースへ対応可能になるように発行されます。
ただのガバナンストークンではないトークンの発行であり、今まで以上に学習難易度が高く実験的な試みであることからも多くのユーザーから注目されています。
またさらに今回のトークン設計は全く新しい考え方である以上、現在は発達途上であり、今後議論が進み実用化されるまでは時間がかかると予想されます。
そのため今後も多くの情報が発表される可能性があり、目が離せない重要な話題になりそうです。
私も随時情報を追跡し、発信していきます!
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