DeFiの今年のトレンド、そして今後の課題は?(Mantle mETH Protocol lead Edmund)

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Edmund

DeFiの今年のトレンド、そして今後の課題は?

Mantleエコシステムのリキッド・ステーキング/リステーキング・プロトコル「mETHプロトコル」。あたらしい経済編集部は「mETHプロトコル」のleadであるEdmund氏を取材。同氏にMantleの魅力、「mETHプロトコル」について、今年のトレンド予想、DeFi領域の課題などについて訊いた。

mETHプロトコル Edmund氏 インタビュー

–クリプトとの出会い、これまでのキャリアについて教えてください。

クリプトとの私の出会いは、2014年です。当時、プレイしていたゲームアイテムの取引サイトがビットコインを決済手段に対応していて、そこでビットコインについて知りました。そこからビットコインついて調べて、たちまち夢中になったのを覚えています。初めは趣味としてトレードをして大学の学費に充てたりしていましたが、次第にクリプト領域の仕事にのめり込んでいきました。

2017年には、友人たちと小規模なVCファンドを立ち上げて色々なフェーズのプロジェクトのサポートを始めました。2018年には、暗号資産のマイニング企業も起業。2022年には大手Web3 VCに入り、そこではプロトコルの設計に注力しました。

そして2023年、Mantleからオファーを貰って現在の仕事に従事することになりました。

Mantle 公式サイト より

–様々なL2ソリューションの中で、なぜMantleで働くことを選んだのですか?

Mantleの非常に野心的なロードマップに惹かれたんです。Mantleは単なるL2以上の存在になることを目指しているプロジェクトです。そしてその目標を達成するために必要なリソースも備えていました。

Mantleのチームには、努力を惜しまず成功を目指すメンバーがたくさん働いていました。彼らの貪欲な姿勢を見て、一緒に働きたいと決めたんです。今振り返ると当時の決断は、私がこれまでに下した中で最高の選択だっだと思っています。

–mETHプロトコルについて教えてください。

mETHプロトコルは、Mantleエコシステムの2つ目のコアプロダクトです。イーサリアムL1上にデプロイされ、Mantleによって管理される、パーミッションレスでノンカストディアルなETHのリキッドステーキングプロトコルです。

mETHプロトコル 公式サイトより

そしてmETHプロトコルの各種トークンについても説明させてください。

まずmETHは、ETHのLST(リキッドステーキングトークン)です。mETHは、ETHを預けることで、それを元本にステーキング報酬をプラスした価格で受け取れるレシートトークンです。mETHは多くのETH のLSTの中でも高いステーキングレートを提供しています。

そしてcmETHは、LRT(リキッドリステーキングトークン)です。cmETHは、mETHプロトコルに前述のmETHをデポジットすることで入手できます。

またCOOKは、mETHプロトコルのガバナンストークンです。エコシステムの方向性やその他の戦略ついて投票するために使用されます。また、ロッカーやステイカーに報酬を分配する現在のCOOK Feastなど、COOKに関する面白いキャンペーンも予定されています。

–Edmundさんの具体的な日々の業務内容を教えてください。

私はmETHプロトコルの leadとしてチームを率いています。多岐に渡りますが、主に日々次のような業務を行なっています。

・mETH/cmETHの取引の流れやプロセスのレビュー
・さまざまな取引の流れの優先順位付けや、障害解消の支援
・プロトコルのパフォーマンスと指標を検証
・LST/LRT領域の開発に関する最新動向の把握、競合他社を調査
・プロダクトチームと連携し、プロダクトの最適化と改善
・潜在的なパートナーとのミーティング

–他のイーサリアム系のリキッドステーキング、リステーキングサービスと比較して、mETH プロトコルにはどんな優位性・強みがありますか? 

mETHプロトコルの主な強みの1つは、エコシステムの相乗効果です。mETHプロトコルは、Mantleという大きなエコシステムの一部であることで、トレジャリー、Mantle L2、またBybitやMiranaなどさまざまなエコシステム戦略パートナーの強みを活用できます。この相乗効果や強力なパートナーシップによって、多くの流動性、インセンティブを提供できます。

またmETHプロトコルのcmETHは、プロトコルレベルで統合されたレシートトークンです。ユーザーは、Eigenlayer、Symbiotic、Karak、その他関連したAVS(Active Validated Services)など広範なステーキング環境に、リスク調整された方法で、たった1つのトークンでアクセス可能です。

–日本の市場やトレーダーにどのような印象を持っていますか?

私は日本のトレーダーにそれほど多く会ったことはないですが、これまでに会った人たちはとても礼儀正しく丁寧な方々だという印象を持っています。今後は日本でのネットワークをもっと広げたいです。そして東京は私にとってのお気に入りの場所の一つです。もっとWeb3関連のイベントが開催して欲しいですね。

–今年、DeFi分野ではどのようなトレンドが予想されますか?

トランプ大統領がワールド・リバティ・ファイナンスに関与していることもあり、今年はDeFiに再び注目が集まると考えています。特に、AIとDeFiの融合が新たなトレンドになるのはと予想しています。

–DeFi以外のブロックチェーンや暗号資産の分野では、どのようなトレンドが予想されますか?

コンシュマー向けアプリの台頭と、RWA(現実資産)のトークン化へ注目が高まると予想しています。2025年のテーマは、プロセスを簡素化し誰でも簡単にWeb3のエコシステムにアクセスできるようにすることだと考えています。多くのチェーンがコンシュマー向けのアプリに注力していますので、興味深いです。

–パーペチュアルDEXの領域では、1、2年前までは人気だったdYdXがトレードボリュームを減らし、現在はHyperliquidが人気です。Hyperliquidがここまでブレイクした理由や、このような DEXのプレイヤーの争い、今後の勢力図についてどのようにみていますか?

Hyperliquidは、プロダクトとコミュニティの構築においてより優れた成果を上げました。プロジェクトは自己資金で運営されていたため、彼らは自分たちの望むプロダクトを自分たちのスケジュールで構築することができたと考えています。HyperliquidのHLP Vaultはステーブルコインを預けるための魅力的な場所になりましたが、その一方で、ファーストムーバーであったdYdXはその優位性を活かすことができませんでした。

Hyperliquidは、Hyperliquid EVMがローンチすれば、この領域におけるDEXの中心的存在としての地位をさらに強固なものにできるのではと私は考えています。

–DeFi領域の今後の課題や、解決すべき問題点は何だと考えていますか?

DeFiプロトコルを利用することの複雑さ、トランザクションにおけるガス代の処理などは、まだまだ課題だと思っています。

それからイノベーションの欠如も挙げられるでしょう。新しいアイデアが生まれにくくなっていて、どうしても既存プロトコルの模倣品やフォークされたコードが多い印象があります。またプロトコルからのサステナブルではないトークン発行についても課題があると感じています。

–今後のmETH Protocolの予定や目標について教えてください。

今後の目標として、mETHプロトコルが統合できるエコシステムの中で重要な役割を果たすこと、そして機関投資家へのアダプションが挙げられます。

これを目指し、mETHプロトコルの利回りの向上や、LRTホルダーの報酬体験をよりスマートにする改善、すべてのユーザーがアクセスしやすくなるようにcmETHとmETHの流動性を高める取り組みなど、いくつかのアップグレードを進行しています。

インタビューイ・プロフィール

Edmund
Mantle mETH Protocol lead
暗号資産のマイニング企業およびWeb3ベンチャーキャピタルの共同創設者としてWeb3キャリアをスタート。その後、Mantleに移り、さまざまなDeFiプロトコルのアドバイザーを務める。EthenaやHyperliquidといったTier1プロトコルにおいてトップファーマーとして活躍している。
X:https://x.com/Defi_Maestro

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インタビュー/編集:設楽悠介(あたらしい経済)
翻訳/編集:髙橋知里(あたらしい経済)

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Mantle mETH Protocol lead
暗号資産のマイニング企業およびWeb3ベンチャーキャピタルの共同創設者としてWeb3キャリアをスタート。その後、Mantleに移り、さまざまなDeFiプロトコルのアドバイザーを務める。EthenaやHyperliquidといったTier1プロトコルにおいてトップファーマーとして活躍している。

Mantle mETH Protocol lead
暗号資産のマイニング企業およびWeb3ベンチャーキャピタルの共同創設者としてWeb3キャリアをスタート。その後、Mantleに移り、さまざまなDeFiプロトコルのアドバイザーを務める。EthenaやHyperliquidといったTier1プロトコルにおいてトップファーマーとして活躍している。

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