今、ソラナ(Solana)が注目な理由、PayPalステーブルコイン対応やアップデートなど

手塚康夫

今、ソラナ(Solana)が注目な理由は?

SolanaはL1ブロックチェーンとして注目を集めていたものの、FTX倒産の影響を受け、ネイティブトークンSOLが大きく下落したことで有名です。そんな中、最近になり再び大きな注目を集めています。PayPalのリリースなど、いくつかニュースを目にした方も少なくないかと思います。

SolanaはEthereumの仮想マシンであるEVMをサポートせず、独自の仕組みで動く、高速かつ低料金のブロックチェーンです。EVMに互換性がないためEthereumの開発者が参入するには小さいながらもハードルがありますが、その処理速度や独自の仕組みにより多くの開発者を抱えています。

一時は大きな価格の下落を見せたSOLも、現在では暗号資産で第5位となる時価総額約760億ドルを誇っています(コインンマーケットキャップ調べ 2024/6/4 )。

最近では注目すべきニュースも沢山発表されており、情報を追うだけでも大変なほどです。今回は最近のSolanaのトピックスについてまとめます。

直近の大きなニュースは先述したPayPalによる採用です。PayPalは暗号資産領域でのビジネス展開に意欲的であり、以前から多くのリリースを発表しています。そんなPayPalの発行するステーブルコイン「PYUSD」がSolanaをサポートしたのです。

これにより今後ユーザーは、PayPalアカウントの法定通貨を容易にSolana上の暗号資産に変換可能になりました。これまではEthereum上でしかサポートされていなかった「PYUSD」が、Solanaをサポートしたことは、大きな話題になってでいます。

またSolana自体のアップデートも進められています。同ブロックチェーンは以前から、スパムトランザクションの影響でトランザクションのほとんどが失敗に終わるという状況に定期的に陥っていました。その不安定さからも使用を避けるユーザーもいましたが、最近この問題もほとんど解決されました。

Solanaのバリデータークライアントや、ウォレットアプリがこの問題に対処するアップグレードを実装したのです。原因となっていたスパムトランザクションを正しく対処できるよう開発チームがクライアントソフトウェアを更新しており、ネットワークが圧迫されづらくなくなりました。

またそれだけではなく、最も使用されているSolanaのウォレット「Phantom」もネットワーク圧迫時にトランザクションを送信しようとした場合に警告をする機能を強化しました。

これによりさらにユーザー体験が向上しており、高速ブロックチェーンとして採用する例も増えていくでしょう。

また5月28日にはバリデーターにネットワークの優先手数料をすべて与えるようにする提案も可決しました。これにより追加で直接バリデーターにチップを渡すという現状を変え、ネットワークの透明性や効率が向上すると予想されています。

このようにエコシステム全体がユーザー体験の向上に向かっており、マーケティングも積極的です。先月日本でも、Solanaのエコシステムの成長を促進するための組織「Superteam Japan」が発足しました。今後も多くのニュースが発表されるでしょう。

またSolanaの米国でのETFの承認を期待する声も所々で見られており、このトピックについても目が離せません。最近はEthereumの話題が目立ちますが、Solanaにも一度目を向けてみるとおもしろいかもしれません。

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手塚康夫

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

株式会社クリプトリエ 代表取締役 CEO
2006年に株式会社ジェナを設立、2021年の株式会社マネーフォワードによるM&A後に同社を退任。現在は2023年に設立した法人向けにweb3ビジネスを展開する株式会社クリプトリエの代表取締役の他、複数のスタートアップの役員や顧問を務める。株式会社クリプトリエでは、NFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現するプロダクト「MintMonster」を提供し、企業におけるWeb3活用の普及を目指す。

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