ビットコイン底堅く推移、BCH半減期で上昇、一言解説「XRP Ledgerとオートブリッジ」(暗号資産 市場レポート 4/8号)

今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。

3/31~4/6週のサマリー

  • BTC、次の半減期まで2週間を切る
  • 4月4日に2度目の半減期を迎えたBCHが大きくアウトパフォーム
  • Ripple社、2024年後半のステーブルコイン発行計画を発表
  • BlackRock、Goldman Sachs ・Citi・Citadel・UBSをビットコイン現物ETF(IBIT)の指定参加者に追加

暗号資産市場概況

3/31~4/6週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比-1.72%の10,364,500円、ETH/JPYの週足終値は同-4.06%の508,600円であった(※終値は4/6の当社現物EOD[4/7 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、ビットコイン現物ETFへの資金流入や、BCHの半減期通過、BTCの半減期イベントへの期待を背景に、底堅い動きで推移する週となった。

週初、ビットコイン現物ETFからの資金流出超を示すデータと、米政府がシルクロード関連で押収した30,000BTCをCoinbaseに移動させたとの報を受け、24時間で約3.5億ドル以上の大規模なロングポジションの清算を伴いBTCUSDは一時64,000ドル付近まで約5,000ドル幅の下落からのスタートとなった。半減期前にマイナーが資金確保の為に売却に動いたことも下落要因としてあげられるだろう。

週央、64,000ドル台付近でサポートされたBTCUSD、ビットコイン現物ETFへの資金流出入がプラスに転じたことが確認されると揉み合う展開に。注目されていたBCHが半減期を無事に通過し騰勢が強まると、BTCも連れ高する格好となり、69,000ドル付近までの上昇をみせる。週後半には良好な米国株式市場の動きも好感され、70,000ドル手前の水準で底堅く推移し週末を迎えた。

4月に入りいよいよBTCの半減期が目前に迫ってきた。現時点で到来予想は4月20日がコンセンサスとなっている。半減期が近づくにつれ、暗号資産市場では本トピックへの言及が増加することが想定されるため、これまで以上に日々の半減期関連の動静には注視されたい。

一足先に半減期を迎えたBCHは、半減期の2週間前となる3月20日頃の価格から約2倍に上昇。半減期前に約20%程度の調整があったものの、半減期後は力強い上昇を見せ、週を通して大きくアウトパフォームした。半減期直前にはブロックが4時間形成されないといったアクシデントに見舞われたが、市場の反応はBCHの半減期をポジティブな材料として捉えた形となった。BCHの半減期の通過は、BTCの半減期イベントへの大きな後押しとなったのではないだろうか。

週後半の米雇用統計は市場予想を上回る内容であったが、強い雇用でありながら賃金の伸びが穏やかであったことがインフレの悪化に繋がらないと判断され、米国市場は反発。FRB高官のタカ派寄りの発言を受け金利が上昇するも、株式市場は上げ幅を拡大する格好となった。金利上昇が実体経済に則した形になり、ゴルディロックス相場(適温相場)に移行してきているようにも映る。しかし米国の景気は過熱気味であり、インフレ悪化懸念は依然として燻っている状況である。株価も高い位置で推移していることから、目先の米国株の調整局面には注意する必要がある。

今週は米国金利動向を推し量る上で重要とされるFOMC議事要旨、インフレ指標である消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)の発表を控えている。さらに欧州中央銀行(ECB)が定例理事会、カナダ中銀も金融政策決定会合を予定している。世界的な利下げサイクルが開始されることが予想される中、各国の中銀の動きにも配慮した投資行動が必要となってくるだろう。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BCH/USD  3/20~4/7チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

ビットコイン現物 ETF のネットフローと運用資産残高合計

(緑・赤のバーがネットフロー / 白線が運用資産残高合計)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

3/31~4/6週の主な出来事

4/7~4/13週の主な予定

【今週のひとこと】XRP Ledgerとオートブリッジ

2024年4月4日、Ripple社による米ドル(USD)に連動したステーブルコイン発行計画の発表がありました。

同ステーブルコインは、米ドル、短期国債、その他の現金同等物によって米ドル資産に100%裏付けられ、準備金を第三者機関が監査する、といったもので、既に発行されているTether社やCircle社のステーブルコインと近い形の規格になる予定です。

ステーブルコインの発表に併せて、Ripple社のCTO デビット・シュワルツ氏は、XRP Ledger(Ripple社独自の分散型台帳システム、以下:XRPL)のオートブリッジ機能の有用性についての声明文をXRPコミュニティ内で発出しました。

オートブリッジ機能とは、XRPをブリッジ通貨(通貨同士の橋渡しをする役目として機能する通貨)として、自動的に通貨ペアをXRP経由で取引できる機能です。例えばUSDステーブルコインを使ってEURステーブルコインを購入する際に、ステーブルUSDをXRPに交換して、次にXRPをステーブルEURに交換することで、ステーブルUSDからステーブルEURに交換する取引が行えるという仕組みです。

先月Ripple社は、XRPLメインネット上でAMM(自動マーケットメイカーシステム)のプロジェクトをローンチしており、同プロジェクト及びステーブルコインとオートブリッジ機能との相乗効果についても同社CTOは言及しています。

今回発表されたステーブルコインの発行計画を、XRPLの分散型金融における壮大なプロジェクトの一環として捉えてみるのも面白いのではないでしょうか。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

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