今年どうなる? 暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域
昨年はビットコインの過去最高値更新や、企業や機関投資家の投資参入、DeFi(分散型金融)の盛り上がりやNFTブーム、世界各国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)やステーブルコインへの取り組みなど、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン業界でさまざまなニュースがありました。
そららの「あたらしいテクノロジー」の多方面での拡大と、新型コロナウイルスという人類にとって未知の脅威は、私たちの多くの常識に変化をもたらしました。暗号資産やブロックチェーンをベースとした「Web3」という概念に、2022年の今、さらに注目が集まっています。
「あたらしい経済」の年始の特別企画として、ブロックチェーン・暗号資産業界を国内外で牽引するプレイヤーや有識者の方々に「2022年の展望」を寄稿いただきました。
この記事には私たちがこれからの「あたらしい経済」時代をサバイバルしていくための、多くのヒントやインサイトが溢れています。
ぜひ迫り来るWeb3時代の足音を感じてみてください。
株式会社幻冬舎「あたらしい経済」編集部一同
業界を牽引する有識者の「2022年の展望」
以下に有識者の寄稿文を掲載していきます(氏名50音順)。2022年が暗号資産・ブロックチェーン業界にとってどんな1年になるか、それを想像しながら、じっくりと読んでいただければ嬉しいです。
Fintertech プロダクトマネージャー 相原一也
2022年も暗号資産を含むデジタルアセット領域への資金流入・企業参入は不可逆と考えています。国内金融機関では、リスク低減策を検討のうえでまずは少額からデジタルアセット保有を試みる事例が増えると見ています。セキュリティトークン発行も増加見込みのため、ブロックチェーン技術に触れる企業は確実に増えます。
また、国内大手企業がNFT発行やその際のガス代準備等を契機としてデジタルアセットを保有し、徐々にその保有額を増やしていくという流れがあると思います。 暗号資産のユースケースとしては、現在主流の価値貯蔵手段に加えて、担保としての利用にも注目が集まると予想しています。
暗号資産担保ローンを手がける海外企業の一部は昨年融資残高100億ドル超えを達成しており、今年は上場を果たす企業が誕生しそうです。Fintertechが提供する「デジタルアセット担保ローン」では、担保対象へのETH追加(年初予定)等によるサービス拡充で、今年も引き続き日本におけるデジタルアセットと法定通貨の新たなブリッジ手段を確立していきます。
コインチェック執行役員/コインチェックテクノロジーズ代表取締役 天羽健介
2021年は、まさに「NFT 元年」と呼べる1年になりました。2022年は、これまでの「NFT」というだけで注目が集まるという段階から、NFTの価値に注目が集まる段階に変わっていくと考えています。 その鍵となるのは、ユーティリティ性を持つNFTの広がりです。NFTは、コミュニティ形成と密接な関係があります。
Web3.0の到来により、コミュニティの在り方も非中央集権的に変化していく中で、コミュニティへの参加権や運営方針を決める投票権などのユーティリティは非常に重要です。
また、昨今話題のメタバースの普及によりNFTの利用シーンがより想像しやすくなることも、NFTの価値に注目が集まる要因として挙げられます。 そのような中で、我々はmiimeやCoincheck NFT(β)の発展だけではなく、既存企業としてルール整備に積極的に参加していくことで、健全な業界発展に寄与していきたいと考えています。
Gaudiy 代表取締役CEO 石川裕也
昨年は世界中でNFTやWeb3.0という言葉や概念が大きく普及した年でした。 しかしそのほとんどが海外プロダクトであり、日本としてはとても悔しい思いをした一年でもありました。この大きな波を逃したら、またweb2.0の時代同様、海外企業が主導の世界線になってしまう。 だからこそ2022年は「日本もやれるんだ。」そんな年にしていきたいです。
Gaudiyでは、日本の大きな強みでもあるエンタメ領域で挑戦しています。また、web3.0時代の拡張・分散の戦い方と日本エンタメの同人誌やカラオケ、コスプレ、切り抜き動画など、ファンによる独自の仮託文化はとても類似し、日本人にとってweb3.0のUXは一般人にとってもなじみやすく、web3×日本エンタメは大きなチャンスです!
Gaudiyでは現在10社を超える大手エンタメ企業と現在協業しており、それら企業と共に一緒に世界に戦えるプロダクトを実現する。2022年はそんな年にしていければと思います。
UXD Protocol 創業者兼CEO 稲見建人
2021年はEthereumL2のArbitrumやSolana, AvalancheなどのL1の躍進によって低いコストで素早くトランザクションを送れるようになりました。これらの新技術の登場によって2022年はDeFiやNFT、メタバースなどのWeb3.0関連のテーマがよりマス層に広がる年になると予想します。
スマートコントラクトプラットフォームの使用用途がDeFi、NFTで明確になったことでこれらの分野が伸びると同時に、2022年はこれ以外の分野で新しいイノベーションが起きるかどうかが楽しみです。
また、Composabilityによって様々なDeFiアプリケーションが連動するようになり、より高い付加価値を出せるようになると予想します。 UXDも他のDefiアプリケーションとの連動性を高めて、Solana上での主要ステーブルコインになることを目指しますので、今年もよろしくお願いします!
double jump.tokyo 代表取締役CEO 上野広伸
2021年は、年初には想像できなかったくらいNFT市場が盛り上がり、一般層にまで認知度が向上し、NFTの様々なユースケースも生まれてきました。しかし、実際にNFTを所有している割合はまだまだ低く、実質的にはNFTはキャズム手前でこれからマスアダプションを目指す場所に位置しています。そんな中、2022年は以下のような展開が予測されます。
1. GamingおよびCollectible領域のNFTにおいて、大手事業者が本格参入してくる年になります。大手事業者は実証実験や様子見レベルでNFTと接してきましたが、一気に認知度が上がってしまった現在、一定のプレゼンスを確保しておかないと、いざマスアダプションが始まったタイミングで波に乗れない可能性があるからです。
2. メタバースやWeb3といった切り口から、暗号資産やNFTのユースケースが再整理され、これらの言葉の定義の明確化と共に融合していきます。ただし、UXやビジネスモデルの最適解コンテンツが出るのは2023年や2024年になるのではないでしょうか。
3. Layer-2技術(L2)の機能性(速い・安い)が注目されたのが2021年でしたが、L2ならではのUXを活かしたNFTのユースケースが生まれると考えています。L1の優れたNFTコンテンツをL2に乗せてUXを向上させる試みは一段落し、L2ならではのNFTコンテンツが出てくるように思えます。
コインチェック 執行役員 大塚雄介
2020年のDeFiの台頭、そして2021年のNFTブームとここ数年、価値を移転するためのプロトコルである暗号資産を当たり前のように使用する、いわば「暗号資産ネイティブなアプリケーション」が急速に発展しています。そして、それらはデジタル上で新しい経済圏を作り出そうとしています。
まさに、Web3.0の世界がすぐそこまできていると感じています。 2022年、暗号資産やNFTがどんな成長を遂げるかを予測することは困難に等しいですが、これまでのインターネットの進化の歴史をから考えてみれば、暗号資産やNFTなどのデジタル資産が創り出す新しい経済圏は、より一層広がっていくと考えられます。
私たちは、暗号資産取引サービスを提供することで、その新しい経済圏ゲートウェイとなるだけでなく、ユーザーや競合の皆さんと一緒に新しいデジタル経済圏を創るチャレンジをしていきたいと考えています。
JPYC 代表取締役 岡部典孝
2022年は資金決済法の改正が予定されており、 ステーブルコインやデジタル通貨の規制が明確になる一年となるでしょう。 その過程で既得権益を守りたいイノベーション阻害勢力と、 Web3系起業家を中心とするイノベーション勢力との争いが可視化されるでしょう。
その勝敗を決するのは世論であり、有権者の声が大きな後押しとなります。 非中央集権、パーミッションレスを掲げる我々イノベーション勢力がカツと信じましょう! JPYCも、Circle社等からの出資を受けて、社会のジレンマを突破する! 為の挑戦を加速していきます。 自由がカツ!
→JPYC株式会社
CryptoGames 代表取締役 小澤孝太
2021年はゲーム×ブロックチェーンを取り巻く環境が激変し、「Play to Earn」「GameFi」というワードがトレンドとなる年でした。下半期からは国内外のゲーム会社がブロックチェーンゲームに参入しており、Axieモデルのゲームは多数誕生しつつある一方で、さらに次のエコシステムが求められてきていることを感じております。
CryptoGames株式会社では、「ブロックチェーンでゲームをもっと面白くする」というヴィジョンを実現すべく、日本の税制面・法令面を鑑みた上で、クリプトスペルズを発展させて形でのGameFiプロジェクト「TCGVerse」を始動いたしました。2022年はNFTとトークンを活用したエコシステムの構築に勤しんでまいります。
ビットポイントジャパン 代表取締役社長 小田玄紀
暗号資産市場は2021年に再び活性化に向けた胎動を始めました。 しかし、一時期は日本がリードしていたこの市場が現在はアメリカやヨーロッパが主導しており、欧米系の事業者1社の収益が日本の暗号資産交換業者全体の収益を凌駕したり、暗号資産全体の0.5%程度しか日本の暗号資産交換業者にて管理されていない現実があります。 世界の潮流をみても、暗号資産が投資対象としてだけでなく、決済や寄付など様々な分野で活用されていることが分かります。
また、ゲームやメタバースなど様々な新産業の1つのパーツとしてこれから暗号資産・ブロックチェーンが果たす役割は大きくなってきます。 ビットポイントは「あしたを、もっと、あたらしく。」をコンセプトに、様々な取組みを展開していきます。
2022年元旦からはビッグボスこと新庄剛志さんをアンバサダーにした各種マーケティング活動も行っていきますが、この施策もわずか4%程度しかいないとされる日本の暗号資産市場を広げていくために貢献していきたいと考えていますし、何よりも暗号資産の様々な価値・魅力をリスクを”正しく恐れる”ことと共に浸透していきたいと思います。
新しいチャレンジにはリスクや課題も伴います。ただ、リスクや課題があるから取り組まないというのはあまりに勿体ないです。適切にリスクに向き合い、その課題を業界全体をあげて解決し、日本を再び暗号資産・ブロックチェーン市場の中心とし、その結果として日本が活性化することに2022年は貢献していきます。 暗号資産市場も『あしたを、もっと、あたらしく。』していきます!
ブロックチェーンエンジニア 落合渉悟
DA妥協EVM-RU出るのもスムーズには行かないでしょうから、地味にガスの安いPolygonがDAO、NFT、DeFi cloneの用途で一時的に更に幅を利かせると思います。本格的なWeb3市場が伸びるのは三年後と思います。そもそもプロダクションに耐えうる開発者が少なすぎるので、そこの需要が増していきます。
ユーザビリティ、ガス代、新規参入者に優しい開発方法論の3つが整うまでに3年を要すると思います。Polygonもネイティブトークンが値上がればユーザーが逃げる運命なので永遠に退避地になれるわけではないため、純正DA EVM-RUよりも先に妥協DA EVM-RUが求められるような機運になるでしょう。
そしてRU間の相互連携性は規格統一の難易度や非同期的クロスチェーンTxしかできない都合により絶望的です。オラクルやトークンブリッジを用いた泥臭い相互運用が主流となり、マルチチェーン時代と言えるでしょう。これは規制可能ポイントは増えているので注意が必要です。
Web3 Foundation 大日方祐介
2021年はPolkadot/Kusamaネットワークともに最初のパラチェーンオークションと実装が終わり、これから迎える2022年ではその上で構築されるアプリケーションが実用可能となることでローンチの最終形態を迎え、ポルカドットにとっての「元年」ともなるようなエコシステムの成長進化が見込まれます。
DeFi, NFT等様々なユースケースがガス代不要で触れるようになり、クリプト業界全体のUI/UXの向上にも貢献するのではないかと思います。(2021年の振り返りについては、Polkadotファウンダー・Gavin Woodが記事にまとめています、ぜひ。)
丁度1年前の展望では『いよいよ世界の人々の意識が「Web 3」の潮流と繋がる』と書いていました。21年は実際に「Web3」の提唱者のギャビンとUSなどを周りながら世界的に注目が集まり始めるのを肌で感じた一方、余計なハイプ・ノイズも増えています。
そんなサイクルの中では、単なる波乗り対象としてWeb3を捉えるのではなく、本当の意味でのビジョンを理解し、腰を据えることが重要だと、2017年からの数年間が証明しているように思います。
SBI VCトレード/ SBINFT 仮想NISHI
2021年は、DeFiやNFTの取引が活発になり、暗号資産が取引手段として本格的に使われた一年となりました。 2022年は、更にブロックチェーン技術が仮想世界を支えるインフラとして主役になっていくと予想します。 加えて、現実世界では「NFT」が日本人の中で「いつの間にか浸透」していく未来が待っているかもしれません。
SBIグループにおいては、SBINFT株式会社が新たに誕生しました。 NFTを中心としたブロックチェーン技術を開発し、ありとあらゆるシーンでの有効活用に向けて取り組んで参ります。 更に、SBI VCトレード株式会社はTaoTao株式会社と統合しました。 両社の強みを融合させ、今までにない新しい暗号資産サービスをお客様にご提供して参りたいと考えております。
bitFlyer マーケットアナリスト兼トレジャリー部部長 金光碧
2021年は暗号資産領域と既存金融との融合が一つの大きなテーマで、CoinbaseのNASDAQ上場、ビットコインETFの上場という象徴的なイベントがありました。
ビットコイン価格もこの二つのイベントでピークをつけています。 ビットコインは一つのアセットクラスとしての地位を確立した感があり、米系投資銀行もアップサイドは金と時価総額が並ぶこと(=今の10倍の時価総額になること)というレポートを書いています。理論価格が示されるのはアセットクラスとして進歩である一方、数十倍、数百倍になるかも?という期待は生まれにくくなってきます。
こういった流れの中で、2022年はトラベルルール導入などFiatGatewayとして取引所の規制はより強化されていくと思われます。 NFTなどWeb3.0的なユースケースは大きく伸びることが期待されていますが、現状はまだニッチであり、ノンカストディアルウォレットのUIUX的なブレークスルー、トラベルルール上の整理がこの分野がマスにリーチできるかの鍵になるのではと予想しています。
日本ブロックチェーン協会代表理事兼bitFlyer Blockchain 代表取締役 加納裕三
昨年は、日本ブロックチェーン協会(JBA)として提唱し続けてきた『ブロックチェーンを国家戦略に。』の声が政府に届き、6月に発表された政府の成長戦略に「ブロックチェーン等の新しいデジタル技術の活用」が明記され、まさに“ブロックチェーンが国家戦略に!”を実現することができました。さらに、暗号資産全体の時価総額が300兆円を超え、NFTが盛り上がりを見せるなど、業界にとって大きな飛躍の年になりました。
私は、日本はブロックチェーン産業で世界と戦えると信じています。本年は、この国家戦略を実現せんとする皆さまと一緒になって具体的な事例作りを行うとともに、引き続き政府への働きかけなどのロビー活動も強化していきます。bitFlyerグループとしては、2014年の創業からお陰様で9年目を迎えました。1人でも多くの方が暗号資産やブロックチェーンに触れてその魅力・世界観を感じていただけるよう、全力でまい進していきます!
→日本ブロックチェーン協会
→株式会社bitFlyer Blockchain
Coinbase Japan 代表取締役 北澤直
弊社としましては、2022年は、Coinbaseのミッションである「世界の経済的自由度を高める。」の通り、弊社サービスをアメリカ、日本含めるより多くの国と地域で展開したいと考えております。このグローバル展開の中で、各国の規制当局との調整や、ポリシーメイキングを業界のリーダー達と取り組み、数億人という人々がクリプトエコノミーに安心して入ることが出来るような整備を進めていきたいと考えています。
業界全体としては、DeFiやNFT・メタバースをはじめとするセルフホストのサービスが成長していくと考えています。こうした中でセキュリティ、使いやすさに対する理解も深まり、機関投資家を含むより大きな市場が生まれると信じています。2021年に引き続き激動の1年間になりそうです。
CauchyE 代表取締役CEO/CTO 木村優
昨年はCosmos NetworkのInter Blockchain Communication(IBC)と呼ばれる通信規格が正式リリースされたり、Polkadotのパラチェーンオークションが進行するなど、インターオペラビリティ実現の第一歩を歩んだ年だったと思います。
すでに昨年末頃からCosmos系のプロジェクトの景気感の過熱が見られていますが、ブロックチェーンの垣根を超えて様々なプロジェクトが相互に連携し合い、発展していくシーンが今年はみられるのではないかと思っています。 NFTなど昨年までにすでに社会に浸透しつつある概念の今後の発展も見逃せません。
Thirdverse/フィナンシェ 代表取締役CEO 國光宏尚
2022年は2021年を遥かに上回るエキサイティングな年になると確信しています!具体的には ・NFT、GameFi周りでは前半、投機熱が高まる。後半にかけて良いものと良くないものの選別が進む。GAS代は気にしなくても良いレベルまで安くなる。
・ノン・カストディアル・ウォレットに対する規制が一定入る。PayPalやSquareなどや、取引所、スーパーアプリ、メッセンジャー系がWalletに参入、拡張して、KYC済みのカストディアル・ウォレットが主流になっていく。
・スタートアップにとっては資金調達手段が多様化してくる。自社トークンを発行している会社がSPACで株式上場を実現する。これにより更に多くの資金がWeb3に向かってくる。
・Web3ファーストなC向けサービスが数多くでて人気を集める。サービスやスポーツチーム、プロジェクト、インフルエンサーたちが続々とトークンを発行するようになる。
法規制などまだまだ課題もありますが、詳しくは僕のnoteに掲載しているので是非ご覧くださいw
Nayuta 代表取締役CEO 栗元憲一
Lightning Network(LN)に関しては、2021年からエルサルバドルの法定通貨採用や取引所の導入等、大きなニュースが続いています。2022年も大型のアダプションの話が続くと思います。
一方、これらのLN採用の多くがカストディアルLNであり、LNの本質であるノンカストディアルLNに関してはUXの改善により少しづつアダプションが行われ始めるレベル感でみています。また、LNのアプリケーションに関してVCからの投資等が増えており、エコシステムの充実が予想されます。
規制に関してBitcoinの本質とぶつかる規制の方向性が示唆されており、今後出てくる規制によっては、法人はLNの本質的性質を一部削ったサービスを出さざるを得なくなる可能性も有りえます。 ブロックチェーン・暗号通貨全般において、2022年あたりから出てくる規制の形によって、どのような形でエコシステム全体が発展していくかが少しづつ見えてくると考えています。
SBI NFT 代表取締役 高長徳
2021年、ブロックチェーン関連市場は、誰もが予想だにしない盛り上がりを見せた一年でした。 特にNFT市場だけをみても2兆円を超える市場となり、まさにNFT元年となりました。
2022年はいよいよ、国内コンテンツが世界進出する年となります。 暗号資産やNFTは、その価値や流動性がとても重要視されています。
我々SBINFTは、ホルダーがNFTを持つことの「意義」や「ステータス」、「優位性」などをしっかりと設計できるプロジェクトが成功すると考えております。 そういったプロジェクトをアーティスト、コンテンツホルダーと共創することを理念に市場開拓をしていきます。
Securitize Japan Country Head, Japan小林英至
デジタル証券、STOにとって2021年は、年初のSMTBによる資産裏付証券のSTO化を皮切りに、さまざまな取り組みが現実のものとなり、実りの多い一年でした。 グローバルでは、STO5年目に入り、その広がりは加速的に増しています。 暗号資産ウォレット企業のExodusによる完全デジタル化されたSTO、弊社Securitizeによる証券業への参入と流通市場の提供開始、S&P インデックスのST化、など先進的で、面白い取組が目白押しです。
またとりわけ米国では、STOは技術・モデル的には完成され、多くの案件で実運用されていることも見逃せません。 今年の前進はあったものの、日本ではまだ道半ばと言えるでしょう。 2022年の課題は流通市場の整備、パブリックチェーンの活用、STOの金商法を超えた広がり(不動産など)、などが見えてくるのではないでしょうか。
また、日本でも単なる技術・モデルの実証の段階は終わりで、市場当事者(投資家と発行体)が進んで参加したいと思えるような、実運用の段階となったことも大切です。 ブロックチェーン、STOの強みを最大限に享受することは、日本が国際資本市場に返り咲くチャンスと思います。 従来のビジネスモデル、枠組みを超えた、さまざまな取り組みが試される環境が望まれます。