9/3~9/9/週のサマリー
- 大手暗号資産オンラインカジノ「Stake.com」が約4,100万ドルのハッキング被害
- 大手資産運用会社Ark Investと同VanEckは現物イーサリアムETFの申請をSECに提出
- 大手暗号資産企業リップル社が米信託会社フォートレス・トラストを買収
暗号資産市場概況
9/3~9/9週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+0.97%の3,828,600円、ETH/JPYの週足終値は同+1.04%の241,820円であった(※終値は9/9の当社現物EOD[9/10 6:59:59]レートMid値)。
先週のビットコイン及び暗号資産市場は、3日J.P.モルガンのアナリストチームが「SECはスポットビットコインETFの承認を余儀なくされる可能性が高い」と述べたとのヘッドラインを受け、BTCは$300幅の上下を見せ、もみ合う展開からのスタートとなる。
週明け4日米国市場がレイバーデイの為休場となりビットコインは25,000ドル台後半で推移する中、大手暗号資産オンラインカジノ「Stake.com」のハッキング被害の報道を受けるも、市場への影響は限定的であった。
週央に大手資産運用会社Ark Investと同VanEckが現物イーサリアムETFの承認を申請したことが報じられると、ビットコインは急伸。一時26,000ドルにタッチするも続かず、同日中に上昇分を吐き出す形となる。
8日には米FRB高官からの金利据え置きを示唆する発言を受け、大規模なショートポジションの清算を伴い25,000ドル台中盤から26,000ドル台中盤までの上昇を見せた。しかし勢いは続かず反落し、25,000ドル台後半で推移し週末を迎えた。週を通して26,000ドル台で上値を抑えられ、レンジ内での膠着状態が印象付けられる週となった。
同日、リップル社が米信託会社フォートレス・トラストの買収を発表するも、XRP市場は目立った反応を見せず。同社はブロックチェーン組織の規制とテクノロジーインフラを提供し、金融資産を保管することを許可するネバダ州の信託ライセンスを保有しており、本買収によりリップルは米国でのライセンスを拡大することになる。
アルトコイン市場では、大手決済企業VISAがステーブルコインUSDCの試験運用にソラナ(SOL)を加えたことや、「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングとプレイシンクがアバランチ(AVAX)のサブネットを活用する計画を発表したこと等のトピックがあり、既存の金融サービスと暗号資産企業との提携が目立った。
今週は13日に今後の米国の金利動向を推し量る上で重要指標である、8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。9月の利上げは見送りであることが既定路線であるが、市場の米国の利上げ停止や利下げのタイミングに関して手掛かりを探る姿勢は今週も変わらないだろう。現時点(9月11日)でCPIの内容は7月から伸びが加速することが予想されており、市場参加者のセンチメントの悪化によるボラティリティの高まりには十分注意したい。
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
9/3~9/9週の主な出来事
9/10~9/16週の主な予定
今週のひとこと「レイヤー2」
レイヤー2とは、暗号資産のトランザクション処理やスケーラビリティに関する問題を解決するためのアップグレード技術です。
従来のレイヤー1(ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーン)では、多くの場合スケーラビリティの制約を抱えており、取引処理速度が遅かったり取引手数料が高かったりします。
レイヤー2はこれらの課題について、オフチェーンで処理を行うことで、ブロックチェーン上での取引処理やスマートコントラクト実行を必要とせず、高速かつ低コストの取引を実現しています。
レイヤー2技術は、ブロックチェーンの能力を向上させ、ブロックチェーンエコシステム全体の成熟を支えています。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
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暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
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