ビットコイン10%超の急落、SpaceX報道や中国不動産バブル崩壊への懸念、米長期金利の上昇等で(暗号資産 週間マーケットレポート 8/21号)

8/13~8/19週のサマリー

  • BTCは前週比▲10.97%で、一時$26,000割れまで下落
  • イーロン・マスク氏率いる「SpaceX」が同社保有の542.8億円分のBTCを売却済みという報道
  • Ark社の現物ビットコインETFの承認可否が延期になったことで、ETFの先行きが不透明に

暗号資産市場概況

8/13~8/19週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲10.97%の3,798,450円、ETH/JPYの週足終値は同▲9.34%の243,085円であった(※終値は8/19の当社現物EOD[8/20 6:59:59]レートMid値)。

先週前半において、ビットコインは600ドル幅の狭いレンジで推移していたものの、後半において10%超と大幅に下落した。下落の契機となったのは、イーロン・マスク氏率いる「SpaceX」が同社保有の542.8億円分のビットコインを売却済みという報道だ。

ただし下落の背景としては、中国不動産バブル崩壊に伴いグローバル経済に悪影響が波及する可能性への懸念や米長期金利の上昇によって市場全体が軟調気味であったことや、米国の資産運用会社であるArk Investment Management社が申請していた現物ビットコインETFについて、米証券取引委員会(SEC)による承認可否が延期になったことが大きいと考えている。

6月15日に世界最大の資産運用会社であるブラックロック社がビットコインETFを申請したことをきっかけに、ビットコインは$25,000付近から上昇し年初来高値を更新、その後$28,500~$31,800のレンジで推移していた。ETFの承認期待によりその高値圏を維持していたものの、Ark社ETFの延期報道をきっかけにブラックロック社ETF申請前である価格帯まで相場が崩れてしまったと考えられる。9月2日にはブラックロック社ETFの第一承認期限が控えており、引き続きETFの承認可否がビットコイン相場を左右していくだろう。

経済指標としては、米小売売上高が市場予想を上回り個人消費の堅調さを示したことで、米経済の力強さを確認した。FOMC議事録では、参加者がインフレの上振れ警戒を緩めていないことが示されていたが、「継続的な利上げ」の文言が用いられておらず、9月FOMCでの利上げを示唆するものではなかった。

今週は世界各国から中央銀行総裁などが参加するジャクソンホール会議が控えている。このイベントでは、今後の金融政策に関するヒントを得られる可能性があり要注目である。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

8/13~8/19週の主な出来事

8/20~8/26週の主な予定

今週のひとこと「シバリウム」

8月17日(日本時間)、シバイヌ(SHIB)のレイヤー2ブロックチェーンである「シバリウム」のメインネットが稼働を始めました。「レイヤー2」とは、ブロックチェーンの基本となる層(レイヤー1)の上に構築される追加層のことで、処理の一部を外部で行うことで、処理速度の向上や、取引手数料の削減を図ることができます。

シバリウムは、想定をはるかに超える利用者が参加したため、開始から数時間で停止の危機に見舞われましたが、約1日を挟み、サーバーを増強してブロック生成を再開しました。

シバリウムの本格稼働により経済圏が形成されれば、SHIBや関連トークン(BONE、TREAT、LEASHなど)のDeFiならびにブロックチェーンゲームでの更なる活用が期待されます。

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この記事の著者・インタビューイ

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SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

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