リップル裁判判決でXRP及び暗号資産市場は高騰、ADA・MATIC・SOLも相場牽引(暗号資産 週間マーケットレポート 7/18号)

7/9~7/15週のサマリー

  • 米リップル社と米証券取引委員会(SEC)との裁判においてSECの主張が一部退けられる判決が下る
  • BTCのハッシュレートが過去最高を更新
  • 元SEC委員長ジェイ・クレイトン氏、「SECはビットコインETFを承認せざるを得ないだろう」と発言
  • Polygonがロードマップの一環として$MATICから$POLへのアップグレードを提案
  • 米CPI、前月比と前年同月比で市場予想を下回る

暗号資産市場概況

7/9~7/15週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比-1.98%の4,211,900円、ETH/JPYの週足終値は同+1.54%の268,335円であった(※終値は7/15の当社現物EOD[7/16 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、前週末に発表された米雇用統計には反応薄だったものの、米ブラックロック社ラリー・フィンクCEOによる「BTCは国際的な資産」との発言を受け、BTCは30,000ドルを維持する底堅なスタートとなった。週初の米国時間月曜日には元SEC委員長ジェイ・クレイトン氏がCNBCのインタビューで「SECはビットコインETFを承認せざるを得ないだろう」と発言したことを受け、BTCは31,000ドルまで上昇。しかし前週に引き続き31,000ドルの上値は重く30,000ドル前半まで跳ね返される展開となる。

週央の6月米消費者物価指数(CPI)の発表では市場予想を下回る結果を受け、米国金利が大きく低下するとともに、市場のリスク選好の流れを受け再度BTCは31,000ドル近辺まで値を上げた。しかし、米国政府がシルクロード事件において押収したとされる約9,000BTC(3億ドル分相当)に動きがあったことが報道されると、大規模な売却への懸念から30,000ドル台前半まで押し戻され、31,000ドル台のブレイクアウトに失敗。

米国時間7/13(木)に米リップル社と米証券取引委員会(SEC)のXRPの証券性についての是非を巡る裁判において、「取引所等の流通市場でのXRPの売買は連邦証券法に違反していない」との判決が下ると、XRP及び暗号資産市場は高騰。判決後に米国大手暗号資産取引所のCoinbase、KrakenにおけるXRPの再上場が発表されると、XRPは前日比2倍近くの価格まで上昇。BTCも連れ高し、ドル建の年初来高値である31,800ドル付近まで値を上げた。

アルトコイン市場では、先月に米証券取引委員会(SEC)から証券性についての指摘があったカルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)が、今回の判決が今後の裁判において有利に働くとの思惑から大きく上昇し相場を牽引した。

週末にかけBTC30,000ドル台前半まで値を戻す展開となり、改めて31,000ドル台の売り圧力の強さが印象付けられた格好。アルトコインは、上昇は一服したものの堅調に推移し週末を迎えた。

今週はインフレ後退観測をうけた米国の金利動向に配慮しつつ、SECの暗号資産市場に対しての更なるアクションや、ETF承認の動向に注視していく必要があるだろう。またBTCについては抵抗帯となっていた31,000ドルを上抜けた際のボラティリティが高くなるシナリオにも十分留意したい。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

XRP/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTCハッシュレート(週足)

黒線=BTC価格 オレンジ線=ハッシュレート (glassnode提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

7/9~7/15週の主な出来事

7/16~7/22週の主な予定

今週のひとこと「ハッシュレート」

先週は20236月上旬以来、約1カ月ぶりにビットコインのハッシュレートが過去最高値を更新しました。暗号資産ニュースで度々話題となる「ハッシュレート」ですが、どのような概念なのでしょうか。

ハッシュレートとは、マイニング(トランザクションを検証し、ブロックチェーンに追加する作業)を行う際に、ネットワーク全体で1秒あたりどの程度の計算を行うことができるか(hash/s)を表した数値です。

ハッシュレートが高い場合、ネットワークに接続されているマイニング装置が、より高い計算力を持っていることを意味し、ハッシュレートが低い場合、より低い計算力しか持っていないことを意味します。

本レポートで掲載したglassnodeのチャートでも確認できるように、コロナショックの際には数多くのマイナーがマイニングから撤退し、ハッシュレートは大きく下落。回復するまでに長い期間を必要としました。

ハッシュレートが高い(=計算力が高い)ネットワークは、より強固な攻撃耐性を持っていることや、より多くのマイナーの参加を示唆することなどから、ハッシュレートの推移は常に注目を集めています。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

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SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

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