ビットコインはブラックロックCEO発言等で上昇も、経済指標受け30,000ドル台でレンジ形成、ソラナ前週比約17%上昇(暗号資産 週間マーケットレポート 7/10号)

7/2~7/8週のサマリー

  • 米BlackRockが現物ビットコインETFを再申請、コインベースを監視パートナーに指名
  • デンマーク金融規制当局が同国Saxo Bankに保有暗号資産を削減するよう命令
  • 米Valkyrieがビットコイン現物ETFを再申請、コインベースを監視パートナーに指名
  • SOLが前週比約17%の上昇

暗号資産市場概況

7/2~7/8週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲2.78%の4,297,150円、ETH/JPYの週足終値は同▲4.85%の264,265円であった(※終値は7/8の当社現物EOD[7/9 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、週明けに米BlackRockがコインベースを価格監視協定パートナーに指名し、現物ビットコインETFを再申請したと報じられると30,000ドル台半ばで推移していたBTC価格が、31,000ドルの年初来高値近辺まで上昇。前週に引き続き、先月より続くETF関連のトピックからのスタートとなった。また米Fidelity、米Invesco等からも価格監視協定パートナーとして指名されたコインベースは、マイクロストラテジー等の暗号資産関連株とともに株価が上昇する格好となった。

その後週央にかけ、上値を押さえつけられ値を下げるものの、米BlackRockのラリー・フィンクCEOがFOX TVにて「ビットコインは国際的資産であり、特定の通貨に基づいていないため、代替手段として利用できる資産となり得る」と発言したことを受け、その発言内容が拡散されるとともに上値を切り上げ、再度BTC価格は31,000ドルを上抜け年初来高値を僅かに更新する展開となった。

しかしその後は、ADP雇用統計・ISM非製造業景況指数の強い経済指標数値からの金利上昇を受け反落、さらに米Binance社の幹部複数(法務顧問、Chief Strategy Officer、上級副社長)が、SECの調査に対する同社CEO・チャンポン・ジャオ氏の対応を理由に辞任したとの報道を受け一時30,000ドルを割り込むも、週末にかけては30,000ドル台水準でのレンジを形成していく展開となった。

アルトコイン市場では「EDX Markets 」取り扱いの材料から大きく値を上げたビットコインキャッシュ(BCH)・ライトコイン(LTC)の上昇が一服したものの、アルトコインの物色の流れから注目されたソラナ(SOL)が前週比約17%の上昇を見せた(※7/1の当社現物EOD[7/2 6:59:59]レートMid値と7/8の当社現物EOD[7/9 6:59:59]レートMid値を比較)。

今週は米国の今後の金利動向を推し量る上で重要指標となる、米6月消費者物価指数(CPI)を控えている。米国の経済・金利動向に気を配りつつ、暗号資産市場におけるSECや既存金融機関の動静を慎重に注視していく必要があるだろう。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

SOL/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

7/2~7/8週の主な出来事

7/9~7/15週の主な予定

今週のひとこと「ビットコイン現物型ETF」

ここ昨今ビットコインを取り巻く環境の一つとして、SEC(米証券取引委員会)に対し、米資産運用大手ブラックロックほか複数社がビットコイン現物ETFの承認を相次いで申請したとの報をうけ、改めてビットコイン現物型ETFを巡る動向に注目が集まっている。

ビットコインETFとは、ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託の一種であるが、大きく異なる点は1つ。いわゆる一般的な投資信託が取引所に非上場であるのに対し、ETFは取引所に上場しているという点。つまり、取引所においてリアルタイムで売買が可能であるという点だ。

米国ではすでにビットコイン先物型ETFは上場されているものの、投資家保護の観点から現物型ETFの上場に関しては、SECはすべて却下してきた過去がある。ただし今回は、米資産運用最大手ブラックロックが申請に再度乗り出したことで、SECの判断が改めて注目されており、認められるとの期待が、最近のビットコインの価格押し上げにいったんはつながっているようだ。

今回のブラックロックの申請については2024年2月までに承認・非承認の可否がなされ、大きな流れとしては、現状ポジティブニュースとして受け入れられているが、流動的な報道によって、市場参加者の中でも見解が分かれることから、引き続き関連するトピックには留意しておきたい。

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