伊藤忠商事がコーヒートレーサビリティ提供のFarmer Connectに出資
伊藤忠商事株式会社がスイスのFarmer Connect SA(ファーマーコネクト:FC)社へ出資し、業務提携することを3月16日発表した。
FC社のリリースによるとこの出資は同社のシリーズAによるもので、伊藤忠商事をリード投資家に900万ドル(約9.7億円)の資金調達を行ったとのことだ。
FC社はブロックチェーン技術を利用したコーヒー豆のトレーサビリティプラットフォーム「FARMER CONNECT」を開発する企業だ。このプラットフォームはコーヒー豆の産地から一杯のコーヒーとして消費者に届くまでの情報を繋ぐ仕組みが構築されており、ユーザーは手元のアプリから購買したコーヒー豆の栽培環境、ブレンドの詳細、流通過程などの情報を得られるようになり、サプライチェーンの透明化が実現する。なお「FARMER CONNECT」はIBMのブロックチェーン技術によって開発されたIBM Food Trustを基盤に構成されている。
またコーヒーは生産の大部分を発展途上国に依存しており、労働環境の向上や環境に配慮した産地開拓などが喫緊の課題となっている。FC社はトークンを利用して、これらに対応するサステナビリティプロジェクトにユーザーが直接参加できる機会も提供しており、国際相場の乱高下や気候変動に伴う栽培環境の変化に曝される生産者の持続可能な生産を支援している。
伊藤忠商事では将来的にこの取組を他食品に拡大し、さらなるサステナブルな商品の展開を目指していくとのこと。
編集部のコメント
伊藤忠商事は2019年より「FARMER CONNECT」の展開に参画しており、FARMER CONNECT運営委員会Interim Steering Committeeの中で唯一のアジア企業として日本から世界のコーヒー産業発展に寄与してきたということです。
伊藤忠商事は60年以上にわたり、日本を初めとする世界のメーカーや小売・飲食店に中南米等のコーヒー豆を供給し、食の安心・安全確保のため予てよりトレーサビリティを確保してきましたが、同社の2019年のリリースでは「商いの次世代化」の観点から「FARMER CONNECT」に参画をしたとのことです。
参考リンク:伊藤忠商事・Farmer Connect SA
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(imaes:iStocks/shilh)