IBMとモデルナが新型コロナワクチンのサプライチェーンをブロックチェーンで管理する計画発表
米IBMがモデルナ(Moderna)と共に、ブロックチェーンやAIなどの技術を利用し新型コロナウイルス感染症ワクチンの管理をする計画を3月4日発表した。
モデルナは米国マサチューセッツ州に拠点を置くバイオ医薬品メーカーであり、新型コロナウイルス感染症ワクチンを開発する企業だ。日本においても武田薬品工業株式会社がモデルナの同ワクチンの製造販売承認取得後に2021年前半から5,000万回接種分を国内において順次供給予定であることを発表している。
今回のリリースによると、この取り組みの中心となるのは、ワクチンのサプライチェーン可視性を向上させワクチン投与のほぼリアルタイム追跡を促進することを目的とした、テクノロジー対応によるオープンかつ標準化されたワクチン流通アプローチの試験的な実施であるとのこと。
そしてこの取り組みにより、テクノロジーの利用がどのように政府、医療提供者、ライフサイエンス機関、個人間の安全な情報共有を促進できるかを明らかにし、ワクチン接種の信頼性と接種率を向上させ感染拡大を減らすことを目指しているとのこと。
また今回の計画の初期段階ではIBMの開発したソリューションの有用性の確認を行う予定であるとのこと。
以前よりIBMでは米国食品医薬品局(FDA)の医薬品サプライチェーンに関するプログラムにおいてエンド・ツー・エンドのトレーサビリティを提供するワクチン管理ソリューションを開発している。
またIBMでは米ニューヨーク州が試験運用を行った新型コロナウィルスの検査結果の陰性とワクチン接種を証明する、ブロックチェーンを活用した健康証明書アプリ「エクセルシオールパス(Excelsior Pass)」の基盤となっている「IBMデジタル・ヘルス・パス・ソリューション(IBM Digital Health Pass solution)」を開発している。
モデルナの北米広告業務担当マネージング・ディレクター兼ヴァイスプレジデントであるマイケル・ムレット(Michael Mullette)氏は「私たちはIBMと協力して、デジタル・イノベーションを応用して、COVID-19ワクチンへの信頼を浸透させるために、組織、政府、個人間のつながりを構築することを楽しみにしています」とリリースにて述べている。
参考リンク:IBM
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