ブレイブがテイルキャットを買収、独自検索エンジン「Brave Search」の開発へ
プライバシーに焦点を当てた次世代分散型ブラウザであるブレイブ(Brave)の開発を行うブレイブ・ソフトウェア(Brave Software)が、オープン検索エンジンであるテイルキャット(Tailcat)を買収し、独自の検索エンジンであるブレイブ・サーチ(Brave Search)の開発を進めていることを3月3日に発表した。
テイルキャットはドイツの大手メディアグループのフーベルト・ブルダ・メディア(Hubert Burda Media)が所有するWebブラウザ開発チームであるクリックス(Cliqz)によって開発された検索エンジンである。今回の買収により、クリックスの開発チームごとブレイブに移動したとのことだ。
現在、ブレイブブラウザ上では複数の検索エンジンが用意されており、その中からユーザーが好みの検索エンジンを選べる仕様になっている。しかし、選択可能な検索エンジンはすべてサードパーティー製のものであり、そのほとんどがGoogleなどのビッグテック企業に依存したものとなっている。そこでブレイブ・ソフトウェアはテイルキャットをベースとして、完全に独立したプライバシー指向の検索エンジンであるブレイブ・サーチの開発を行うことでGoogle検索の代替を目指すとのことだ。
ブレイブ・サーチはユーザーのプライバシー保護、透明性の確保(偏った検索結果表示アルゴリズムを採用しないこと)、ブレイブブラウザで実装されている広告機能との連動などの特徴を備える予定とのこと。また、ブレイブ・ソフトウェアはeコマースでの使用を含めたブロックチェーンベースの新しい機能も模索していくとのことだ。
ブレイブ・ソフトウェアのCEOであるブレンダン・アイヒ(Brendan Eich)氏は「ビッグテック企業による(ユーザーへの)侵略的な慣行から逃れるためにプライバシーソリューションを求めるユーザーが増えているため、2021年にはブレイブに対する需要がさらに高まると予想しています」と述べている。
またテイルキャットの開発責任者であるジョセフ・プジョル(Josep M. Pujol)博士は「個人情報を収集する悪い習慣を持つビッグテック企業に対抗する唯一の方法は、ユーザーが期待していた品質を提供する堅牢で独立したプライバシー指向の検索エンジンを開発することです。ユーザーはプライバシーと品質の二者択一を迫られるべきではありません」と述べている。
ブレイブ・サーチの公開時期は未定だが、ブレイブのサイトからウェイティングリストに登録ができる。
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参考:Brave
(imaes:iStocks/Kateryna-Bereziuk・dalebor)