コンセンシスがオールファンズ子会社と提携し、ファンド業界向けブロックチェーンソリューションの開発
ブロックチェーンソフトウェア企業のコンセンシス(ConsenSys)が、金融機関向けファンドディストリビューションプラットフォームを提供する企業オールファンズ(Allfunds)のブロックチェーン部門子会社オールファンズ・ブロックチェーン(Allfunds Blockchain)と提携し、ファンド業界向けブロックチェーンソリューションの開発を進めることを2月11日に発表した。
今回の提携を通じてコンセンシスとオールファンズ・ブロックチェーンは、ブロックチェーンを利用して金融機関・仲介業者・第三者決済システム間のグローバルな資金移動の簡素化および安全性の強化を目指すとのこと。
具体的にはオールファンズのテクニカルソリューションとコンセンシスが開発を行うエンタープライズ向けブロックチェーンであるコンセンシス・クォーラム(ConsenSys Quorum)を組み合わせて、新たなファンド業界向けプラットフォーム「オールファンズ・ファンド・インダストリー・プラットフォーム」の実現を目指すとのことだ。このプラットフォームでは主にデータガバナンスに関するプライバシー問題などの技術サイドの課題解決と、スマートコントラクトを利用したファンド流通活動の実現などのビジネスサイドの課題解決が見込めるとのことだ。
コンセンシス・クォーラムのプロダクト責任者であるマデリン・マーレイ(Madeline Murray)氏は「コンセンシス・クォーラムは、エンタープライズブロックチェーンの使用を簡素化するために構築されたオープンソースのイーサリアムプロトコルであり、世界的に関心が高まっています。今回のオールファンズとのパートナーシップにより、ファンド業界のグローバルなブロックチェーン採用がさらに促進され、高度なプライバシーのユースケースに適した技術革新でエコシステムをより豊かにしていきます」と述べている。
編集部のコメント
コンセンシスは2020年8月にJPモルガンからクォーラムを買収しています。
オールファンズは2000年に設立されたスペインの企業です。主要な事業は資産運用会社と銀行を接続するファンドディストリビューションプラットフォームの運営であり、同社のプラットフォームには7,300億ドル(約76兆円)を超える運用資産が預けられています。また同社は2020年9月にブロックチェーン開発専門子会社オールファンズ・ブロックチェーンを設立しています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStocks/Lidiia-Moor)