米決済スタートアップのセロがa16zらから約20億円の資金調達
モバイルに特化したブロックチェーン決済のスタートアップのセロ(Celo)が、Andreesen Horowitz (a16z)、Greenfield One、Electric Capitalなどから約20億円(2000万ドル)の資金調達を実施したことを2月10日に発表した。
またセロはセロプラットフォームをベースに構築されたモバイル送金・ピアツーピア決済アプリ「Valora(ヴァローラ)」の提供を正式に開始したことも発表した。
「ヴァローラ」は2020年の秋にテストローンチしていて、100カ国以上で25,000人以上のユーザーにサービスを提供してきたようだ。また「ヴァローラ」上ではセロの米ドルにペッグしたステーブルコイン「cUSD」の取引が何十万件も行われたとのことだ。
今回調達した資金は、開発者が「ヴァローナ(Valora)」のようなモバイルファーストのアプリケーションを市場に投入することをサポートし、ブロックチェーン技術を採用し始めている大手金融機関との統合作業を加速させることに活用していくようだ。
具体的には既存の決済企業がセロのインフラに簡単に統合できるようにSDKの開発などを行っていくとセロの創業者兼CEOのレネ・レインズバーグはあたらしい経済の取材で明らかにした。
セロのCEOへ取材
あたらしい経済編集部はセロのファウンダー兼CEOのレネ・レインズバーグ(Rene Reinsberg)氏へ取材を行った。
ードルペッグ通貨「cUSD」とクレジットカードなどの決済手段を比較した場合、「cUSD」のようなステーブルコインは、誰に、そしてどのようなメリットが与えられるのでしょうか。
レネ・レインズバーグ(以下レネ):「cUSD」は、セロプロトコル上の安定した価値のある資産の第一号です。従来の支払方法と比較して、「cUSD」はインターネットに接続されたスマートフォンから、仲介者なしで信頼性の高い方法で利用することができます。
決済メカニズムとして、支払うということをより身近でグローバルなものにしています。1セント(0.01ドル)以下の取引手数料と高速決済時間(5秒)で、従来のバリュートランスファーよりも安価で便利です。
ーVisa、PayPal、Mastercardなど決済大手がステーブルコインを含めた決済領域に本腰を入れてきましたが、その動向に対してどのようにお考えでしょうか。
レネ:私はこの流れにとても期待しています。 なぜならこのトレンドは既存の伝統的なプロバイダーがブロックチェーンや暗号資産の技術を採用していることを示しており、これらの技術がマスアダプションに向けて準備が整ってきていることを示しているからです。
そして私たちが今回調達した資金の一部は、既存の決済レールやコマースをより簡単にCeloのインフラに統合できるように、ツールやSDKの追加開発に充てられます。
例えば、セロのエコシステムに参加し、Celo Campの最終選考に残ったマグルペイ(MugglePay)は、オンラインマーチャントに「cUSD」を簡単に受け入れる方法を提供しています。
編集部のコメント
あたらしい経済編集部は2019年10月15日にセロのレネにポッドキャスト取材を行っていますので、合わせて聞いてみてください。
記事:「ステーブルコインの運用方法と未来のお金のあり方」Celo Founder Rene Reinsberg(セロ創業者レネ・レインズバーグ)氏に突撃取材
(images:iStocks/pgraphis・BadBrother)