伊大手決済プロバイダーSIAがブロックチェーン企業ウィズキー(WizKey)と提携しブロックチェーン上でクレジット市場の実現を目指す

伊大手決済プロバイダーSIAがブロックチェーン企業ウィズキーと提携しブロックチェーン上でクレジット市場の実現を目指す

イタリアの大手決済システムプロバイダーSIAがイタリアのブロックチェーンスタートアップ企業ウィズキー(WizKey)と提携し、クレジット商品の取引が可能なプラットフォームの立ち上げを目指すことを1月26日に発表した。

ウィズキーはイーサリアム(Ethereum)を利用して金融商品のトークン化を行っている企業である。

SIAはウィズキーと提携して、社債や貸出債権等のクレジット商品をブロックチェーン上でトークン化し、流動性・透明性の高いセカンダリークレジット市場の創出を目指すとのこと。SIA社によるとこのようなセカンダリークレジット市場の形成により、不良債権を含む負債の取引および譲渡が可能になるとのことだ。

またブロックチェーン上でトークン化されたクレジット商品は、その取引履歴、ドキュメント、デューデリジェンスなどの情報が固有のデータルームに記録されるため、従来よりも情報の非対称性から生まれるリスクを軽減できるとのこと。

SIAのイノベーション&ビジネスソリューション部門の責任者であるダニエル・サベール(Daniele Savarè)氏はプレスリリースにて「ウィズキーと共同で立ち上げたこのプロジェクトの主な目的は、ヨーロッパの規制当局の指示に沿って、標準化された安全な方法で銀行が債権、特に不良債権を管理するのをサポートすることです」と述べている。

編集部のコメント

クレジット商品とは、信用リスク(債務者が財務状態の悪化などにより債権を履行できなくなるリスク)を含む商品のことを指します。クレジット商品には貸出債権や社債のほか、さまざまな信用リスクを証券化したものや信用リスクを原資産とする派生商品などがあります。

SIAは1977年に設立され、現在はヨーロッパ各地に支社を持つグローバル企業です。主に金融機関や中央銀行に向けた決済サービスのインフラシステムの開発を行っており、2019年には年間150億件のカード決済を処理しています。近年はブロックチェーン開発にも注力しており、2020年4月にはイタリア銀行協会やNTTデータと共同で、ブロックチェーンを利用した銀行間トランザクションのデジタル化を実施しています。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStocks/antoniokhr)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した