シンガポールのDBS銀行が企業向けにデジタル監査確認ソリューションを提供
シンガポールのDBS銀行が企業向けにデジタル監査確認ソリューションを展開することを1月26日にFINTECH NEWS SINGAPOREが報じた。
監査確認とは企業の資産の実在性と負債の網羅性を確認するために、監査人が適用する一般的な監査手続のこと。監査確認の手続きは財務諸表監査プロセスの一部として要求され、DBS銀行は年間30,000件以上の依頼を受けているとのこと。
DBSのデジタル監査ソリューションを利用すれば、企業の監査確認依頼の処理時間を業界標準の7日以上から24時間以下に短縮できるようだ。また人為的な不注意による不完全又は不正確フォームの提出が原因で発生する監査拒否の発生率も減少すると予想されるとのこと。
この監査ソリューションは顧客、監査人、銀行間の手動のワークフローに代わるもので、すべての文書の受信、レビュー、および処理がデジタルで完結する。
DBSの機関投資家向けバンキング部門グループヘッドのタン・スー・シャン(Tan Su Shan)氏は「多くの企業にとって監査確認は日常茶飯事ですが、私たちは監査確認が苦痛で長い時間を要するプロセスである必要はないと考えています。毎年恒例の企業の決算締めのピークシーズンが始まる中、DBS銀行は革新的な技術とデジタル能力を駆使して顧客の依頼を処理するために必要な時間と労力を大幅に削減するサービスを提供します。
これにより顧客は事務処理の煩わしさから解放され、新年に向けてビジネスの準備をする際により重要な業務に集中できるようになることを願っています」とコメントしている。
DBSの監査確認ソリューションを利用している企業Song Fish Dealer社のディレクターを務めるドロシー・リム氏は「私と従業員は事務処理の多さと時間がかかるため、毎年監査確認のプロセスを楽しみにしていません。DBSが監査確認をスピーディーかつ簡単に行うためのデジタルソリューションを導入していることを知り、大変嬉しく思いました。
このソリューションは直感的で使いやすく、私たちの依頼を1日以内に処理することができました。これにより私のスタッフは他の付加価値の高い業務に集中することができるようになっています。DBSは私たちのために銀行業務をより良くする方法を常に模索している銀行パートナーです」とコメントしている。
今後DBS銀行は主要市場にDBS監査確認ソリューションを拡張し、20万人を超える地域の法人顧客がこのソリューションの恩恵を受けられるようにする予定だ。
編集部のコメント
財務諸表監査は上場企業であれば必ず受けなければならないものです。デジタル監査確認ソリューションは、ロイター通信などを運営するトムソン・ロイターも提供しています。今後、監査プロセスのデジタル化は必ず進んでいくでしょう。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStocks/VectorHot)