ナスダック上場企業マラソン・パテント・グループが約156億円相当のビットコインを取得
ナスダック上場企業マラソン・パテント・グループ(Marathon Patent Group)が1月25日に約156億円(約1億5000万ドル)で4813BTCを購入したとThe Blockが1月25日に報じた。マラソン・パテント・グループのビットコイン購入プロセスは、米デジタル資産投資・金融サービス企業「New York Digital Investment Group(NYDIG)」が支援をしたようだ。ちなみに投資の意思決定から投資実行まで、わずか数時間で完了したとのこと。
マラソン・パテント・グループはナスダックでも比較的規模が小さい企業の株式が取引されているナスダック・スモールキャップ・マーケット(NASDAQ Small Cap)に上場している企業。設立は2010年2月。マラソン・パテント・グループは米国の特許権関連サービスプロバイダーとして、個人発明家や企業らの特許および特許権の取得に関する事業を営んでいる。
The Blockによればマラソン・パテント・グループは2017年からビットコインマイニングを行っていたが、市場のビットコインを購入したのは初めてとのこと。
マラソン・パテント・グループのCEOを務めるメリック・オカモト(Merrick Okamoto)氏は「手元資金を活用して今すぐビットコインに投資することで、純粋な投資の可能性を現実のものに変えました。また、マイクロストラテジーのような他の先進的な企業と同様に、自己資金の一部をビットコインで保有することは、米ドルを保有するよりも長期的な戦略になると考えています」とThe Blockに答えている。
またメリック・オカモト氏は「私たちは2017年後半からビットコインのマイニングを行っています。 現在は2,560のビットコインマイナーを抱えており、現在は1日あたり1.5~2ビットコイン程度を生産しています。そしてほとんどのビットコインマイニング業者は、運営にホスティングモデルを使用しています。このホスティングの典型的なコストは、1kWh(キロワットアワー)あたり0.05ドルから0.06ドルの範囲です。一方、電力供給事業会社のベオウルフとの提携により、マラソン・パテント・グループはコストを1kWhあたり0.028ドルまで下げることができます。また各ビットコインをマイニングするためのコストを7,700ドル以上から約4,400ドルまで下げることができます」とThe Blockに語っている。
編集部のコメント
The Blockによれば、マラソン・パテント・グループは事業拡大のため、マイニング企業ビットメイン(Bitmain)に約283億円(2億7,000万ドル)で先進的なマイニングプロダクト「S19マイナー」を10万5,000台発注しているようです。メリック・オカモト氏は「完全にマイニングプロダクトが配備され、インストールされた場合、総ハッシュレートは10.34エクサハッシュ(現在の約256ペタハッシュ)を超えることになり、マラソンは世界最大のビットコインマイニング業者になると考えています。またアップグレードされたハッシュレートは、マラソンが1日あたり55~60ビットコイン程度を生産するのに役立つと」とThe Blockに伝えています。
ちなみに1ペタハッシュは1秒間のハッシュ計算が1,000兆回できることを表していて、1エクサハッシュは、1秒間に100京回のハッシュ計算が計算できる能力を表しています。つまり1エクサハッシュと1ペタハッシュの1,000倍ということになります。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStocks/pgraphis・Adelos)