グラコネとエンジンがNFTチャリティープロジェクト開始
SDGsとBlockchainのプラットフォーム「KIZUNA HUB」を運営する株式会社グラコネとブロックチェーンを用いたエコシステムを開発するシンガポールのエンジン(ENJIN)社が、NFT(Non-Fungible Token/代替不可能なトークン)によるチャリティープロジェクト開始を1月18日に発表した。
チャリティの資金は著名人の作品オークションによる販売によって得られる予定で、その資金は生活に苦しむ若年層への食糧支援事業に寄付されるとのことだ。寄付先は生活に困っている10代をサポートする「認定NPO法人D×P(ディーピー)」となっている。
プロジェクトの実施の背景としては、著名アーティストや海外セレブリティなどが自身の絵画などのクリエイションをNFTと関連付けて販売し、その売上金をコロナ渦で増加している社会問題の解決に当てるチャリティー活動が米国などで増えていることがリリースに記載されている。
認定NPO法人D×Pの理事長を務める今井紀明氏は「認定NPO法人D×Pは10代の孤立を解決するNPOです。ユキサキチャットという3,000名を超える10代の不登校や高校中退などした子どもたちや若年層が登録しており、就職の相談や場合によっては食糧支援や現金給付など福祉的なサポートもしています。コロナの状況下で「所持金が数百円しかもうない」と関西圏で一人暮らしの高校生から声も届いています。
親からの支援もない子たちは貯蓄もなく、かなり厳しい状況に追い込まれています。私たちの活動資金は寄付で運営されており、月額寄付をしているサポーターも1,200名近くいます(2021年1月14日時点)。NFTでの寄付は初めてですが、仮想通貨には可能性を感じており、今回プロジェクトに参加させていただくのはうれしいです。本当にありがとうございます」とコメントしている。
エンジン社CEOのマキシム・ブラゴフ(Maxim Blagov)氏は「アートのトークン化は、高価値アセットの販売およびプロセスの自動化という、ブロックチェーンのメリットを最大限に引き出すユースケースです。 伝統的なアートの場合、販売を完了するまで何年もかかることがありますが、ブロックチェーンを用いれば、ほんの数分で発行から販売まで行えます。
またMaiは、日本のブロックチェーン業界において、とてもリスペクトされているクリエーターです。彼女は本プロジェクトを通して、 アートビジネスをより民主化すると同時に、困難に直面している若者を全力でサポートします。ブロックチェーンの可能性を、多くの人に知っていただく、素晴らしい機会にもなるでしょう」とコメントしている。
株式会社グラコネの代表取締役を務める藤本真衣氏は「日本には『三方良し』という言葉・哲学があります。売り手よし、買い手よし、世間よし。まさしくこのNFTチャリティー企画は、三方よしという言葉がピッタリです。
アーティストをはじめとする著名人の方々が提供してくださるNFTアート作品を、ファンの方が購入すると、ファンは作品を手に入れた喜びだけでなく、困ってる誰かの役に立つ事ができます。
今まで仮想通貨(暗号資産)の寄付活動を行なってきましたが、こちらのNFTチャリティーに関しては、三方よしの要素に加え、より多くの人も楽しめながら、寄付が集まる、エンターテイメント要素も交えた仕組みになっています。今回のNFTチャリティーのコンセプトに快諾してくださった、Enjinチーム、アーティストの方々、はじめ協力者の方々に感謝を申し上げます」とコメントしている。
あたらしい経済編集部はグラコネ代表の藤本真衣氏へ取材。
グラコネ代表の藤本真衣氏へ取材
ー寄付者は寄付金の使途をどのように確認できるようになるのでしょうか。
今回に関して、寄付者(NFTの購入者)には、クレジットカードの決済で購入して頂き、その売り上げを全額寄付します。Kizunaから「認定NPO法人D×P(ディーピー)」に寄付が完了した際、HPなどにてご報告いたします。
ーEthereum FoudationとUNICEFなど、寄付×ブロックチェーンの事例が増えています。今後、寄付×ブロックチェーンはどのように世の中に広がっていくとお考えでしょうか。
今回のポイントは、チャリティーにエンタメ性を持たせた点だと思います。今後もあらゆるサービスに自然にチャリティー要素を組み込む形でどんどん広がっていくでしょう。
現に、Enjinさんの他にも3社ほどコラボレーションのお話を頂いています。会社、団体、国の垣根を超えながら、そして自然な形で組み込みながらチャリティー活動が広がるといいですね。
(images:iStocks/antoniokhr)