トレードワルツらによるブロックチェーン活用のベトナム向け商流の電子化実証が、経済産業省の「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に採択
ブロックチェーンを活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を運営する株式会社トレードワルツが、三菱商事プラスチック株式会社、三菱商事株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、東京海上日動火災保険株式会社と共に連携し、2021年3月から三菱商事プラスチックと三菱商事のベトナム向け商流にて電子化実証を行うことを12月24日発表した。またトレードワルツは、この実証が経済産業省の令和二年度補正予算で措置された「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に採択されたことも併せて発表した。
「TradeWaltz」は貿易業務を一元的に電子データで管理するプラットフォームだ。今回同プラットフォームは輸出系の標準書類の電子化実装を完了したとのことで、トレードワルツは3月よりそのうちの一部であるLC(信用状)受領機能から、先行ユーザーである上記4社とシステム間連携し実商流を用いた実証を行うとのこと。
現行行われている取引では銀行が手形の買取りの前提として船積書類の内容がLC(信用状)の記載と一致しているか否かの調査を行う等、煩雑且つ書面を使った作業があるという。この実証では、それらを全てシステムで統合し、システム上でチェックできるような仕組みを目指すとのことだ。
またベトナム社会主義共和国の企業との商流で実証を行う理由として、同国が2020年のASEAN議長国であり、また対日貿易額が約400億米ドルに上る等、ASEANで日本にとって最も重要な貿易相手国の一つであるからとのことだ。
編集部のコメント
株式会社トレードワルツの運営する「TradeWaltz」は貿易情報を電子化し貿易業務における事務処理の効率化や安全性の向上を目的として、NTTデータが開発を進めたプラットフォームです。今年10月に株式会社NTTデータ、三菱商事株式会社、豊田通商株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、兼松株式会社、損害保険ジャパン株式会社の7社が、株式会社トレードワルツに対して共同出資を行うことを発表していました。
その発表の際のリリースによると「TradeWaltz」が実用化されれば、貿易に関わる全ての業務を一元的に電子データで管理できるようになり、貿易業務の作業量を最大50%程度削減できると見込まれているとのことでした。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/your_photo・Igor-Korchak)