スイス証券取引所が金融機関向けデジタルアセットゲートウェイを構築へ
スイス証券取引所(SIX)が大手通信IT企業スイスコム(Swisscom)とスイス規制当局(FINMA)から承認を得た暗号資産銀行であるシグナム銀行の2社と提携し、金融機関(機関投資家)向けデジタルアセットゲートウェイを構築することを12月7日に発表した。さらにスイス証券取引所はスイスコムとシグナム銀行との提携に合意したうえで、2社が共同で設立した合弁会社カストディジット(Custodigit)に大口の投資を行ったことも同時に発表した。
プレスリリースによると今回発表された金融機関向けデジタルアセットゲートウェイの構築は、スイス証券取引所のデジタル資産部門子会社であるSDX(SIX Digital Exchange)とカストディジットによって合同で進められているとのこと。
この金融機関向けデジタルアセットゲートウェイは、デジタル資産の取引から決済、カストディ、セカンダリーマーケットへのアクセスに至るまで包括的に投資のバリューチェーン全体をカバーするものになるため、スイスの金融機関とその顧客は、信頼性、安全性、コンプライアンスに準拠しながらも、デジタル資産へのシームレスなアクセスを得られるようになるとのことだ。
なおこの金融機関向けデジタルアセットゲートウェイはカストディジットのプラットフォームをベースとして2021年の第1四半期にリリースされる予定となっているとのことだ。
編集部のコメント
SDXは今回の発表の翌日12月8日に、SBIホールディングス株式会社と提携しシンガポールを拠点に機関投資家向けデジタル資産発行および管理サービスの提供を目的とする合弁会社の設立を発表しています。
またスイス証券取引所はスイス中央銀行および国際決済銀行(BIS)と共同で中央銀行デジタル通貨(CBDC)の金融機関間での取引に関する実証実験に成功したことを12月3日に発表しています。
この事はスイス証券取引所が、かなり積極的にデジタル資産やCBDCに関する取り組みを行っていることがうかがえます。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/antoniokhr・VectorHot・Guzaliia-Filimonova)