【サスメド代表取締役上野太郎氏のコメント追記】医療スタートアップのサスメドがブロックチェーンで治験を効率化 

医療スタートアップのサスメドがブロックチェーンで治験を効率化 

医療スタートアップのサスメドがブロックチェーン(分散型台帳)技術で臨床試験(治験)を効率化するシステムを2021年に実用化する予定であることを12月7日に日経新聞が報じた

サスメドは医療機関や製薬会社、認証機関などをブロックチェーンでつなぐシステムを開発した。また報道によると国はサスメドの開発するシステムの治験への活用を認めたようだ。

サスメド社の上野太郎社長は「大規模な治験では確認作業の人件費だけで数十億円に達する。新システムでこうした作業を代替し、人件費を7割減らすことを目指す」と日本経済新聞の取材に対して答えている。

追記:12/8日午前7時30分

あたらしい経済編集部はサスメド社代表取締役上野太郎氏へ取材を行った。

サスメド社代表取締役上野太郎氏へ取材

ーサスメド社は、電子カルテと当局に提出するデータとの間に食い違いがないかの確認プロセスをどのようにブロックチェーンへ移転させていったのでしょうか。

弊社はソフトウェア医療機器を開発するスタートアップ企業で、デジタル技術の医療応用に取り組んでおります。

臨床試験や治験では依頼者との利益相反が存在し、これまでにもデータ改ざんの問題が多数報告されてきました。

臨床試験データの信頼性を担保することが、治験に関するGCP省令で規定されておりますが、これまでCRO (Contract Research Organization: 医薬品開発受託機関)による労働集約的なモニタリング業務が行われてきました。

弊社ではブロックチェーン技術を臨床試験に活用することに注目し、実証試験や論文発表を進めてきました。

開発したシステムを用いた実際の臨床試験を、国立がん研究センターと共同で実施するとともに、2019年の内閣府規制のサンドボックス制度での認可を得た実証を行いました。

ーサスメド社のブロックチェーンベースの治験システムの今後の展開について具体的に教えていただけると幸いです。

弊社ではブロックチェーン技術を用いた臨床試験システムを構築しており、今回の政府回答を元に、臨床試験データの信頼性を人手によらずに担保することで、臨床試験の効率化を目指します。

今後は製薬企業や医療機関で実施する臨床試験において、本システムの活用を進めてまいります。

編集部のコメント

サスメドは2018年6月4日に総額7.2億円の第三者割当増資を行っています。

出資者はBeyond Next Ventures、SBIインベストメント、エムスリー 、ソニー 、東京センチュリー、 第一生命保険などとされています。

また2020年5月にはスズケン、8月には住友商事、日本ケミファ、そして9月には沢井製薬から資金調達を行っています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/Tuadesk・Vit_Mar)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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