三井住友海上がブロックチェーン技術を活用した「スマート国際貿易保険プラットフォーム」を開発

三井住友海上がブロックチェーン技術を活用した「スマート国際貿易保険プラットフォーム」を開発

三井住友海上火災保険株式会社は、同社100%出資の三井住友海上火災保険(中国)有限公司(三井住友海上中国)がブロックチェーン技術を活用した「スマート国際貿易保険プラットフォーム」を開発したことを11月24日に発表した。

また三井住友海上中国は、11月22日に中国の税関システムである国際貿易単一窓口(国際貿易に係るオンラインワンストップサービス)を運営する上海億通国際有限公司(億通国際) 、中国保険業界のITインフラの整備・開発を行う上海保険取引所、中国の三大大手損害保険会社である中国人民財産保険、中国平安財産保険、中国太平洋財産保険と提携したとのことだ。

リリースによると貿易プロセスには荷主 、物流業者、銀行、税関、保険会社等多くの事業者が参加し、その手続きのため売買契約書、信用状、船荷証券、保険証券等、類似した多数の書類を作成しているとのこと。その実務は個々に行われているため、多重の事務作業が発生し効率的な情報共有が行われていないことが課題となっているとのこと。今回三井住友海上中国はその課題の解決策として億通国際および上海保険取引所とともに、スマート国際貿易保険プラットフォームの開発に至ったとのことだ。

スマート国際貿易保険プラットフォームでは、税関データの利用により簡単で正確かつ迅速な保険加入手続きを実現するとのこと。またこのプラットフォームを上海保険取引所を通して中国の保険業界での利用を推進することで 、業界全体の品質向上を目的としているとのことだ。

またこのスマート国際貿易保険プラットフォームを利用することで、上海国際貿易単一窓口が持つ税関手続きデータをブロックチェーン技術で取得し、保険ユーザーが保険証券や保険料請求書等を自動的に発行できるとのこと。

あたらしい経済編集部が三井住友海上火災保険へ問い合わせを行ったところ、このプラットフォームのブロックチェーン部分は上海保険取引所が開発したが、プロジェクトを始める際に三井住友海上がブロックチェーン開発の経験がある人材の採用を行い、上海保険取引所に派遣して開発を全面サポートしたとのこと。

現状このプラットフォームの利用対象は輸送中の損害を補償する外航貨物保険のみとなっているが、今後は貿易に関わる他の保険(生産物賠償責任保険、関税ボンド、輸出取引信用保険等)にも対象を拡大する計画とのこと。

また三井住友海上は11月18日に、このプラットフォームの運営や今後の新たなシステム開発事業を積極的に行うことを目的にITシステム開発や、その他のサービスを行う三井住友海上100%出資の「 MSIG管理(上海)有限公司 」を中国上海市に設立したとのこと。これにより今後は他業界ともブロックチェーン技術で連携を行い、さらなる利便性の向上を目指していくとのこと。

三井住友海上中国は世界最大貿易港の上海において、市政府関連機関と連携しながら課題に挑戦することで、顧客の利便性の向上と中国保険業界の発展に貢献していくとのことだ。

(images:iStock/antoniokhr)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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