シンガポール国有ファンドのテマセクの子会社アフィニティ・グループのCEOに元AWS幹部が就任
シンガポールのデジタルアイデンティティ企業であるアフィニディ・グループ(Affinidi Group)が、元Amazon AWS幹部のグリーン・ゴアー(Gleen Gore)氏をCEOに採用したことが11月11日のLedgerinsithgsの報道によって明らかになった。
アフィニディ・グループは2020年10月にシンガポール国営の資産運用ファンドであるテマセク(Temasek)が設立したデジタルアイデンティティ領域特化のスタートアップ。アフィニディ・グループはグローバルなデジタルアイデンティの標準規格を開発するW3CのDID(分散型識別子)標準に基づいた自己主権型アイデンティティソリューションに分散型台帳を使用している。
テマセックの執行役員であるチア・ソン・フィー(Chia Song Hwee)氏は「革新的なテクノロジーは国や社会の成長の鍵を握っています。デジタルに接続された世界やよりスマートシステムなど私たちが認識しているトレンドに沿って、アフィニティが思い描く画期的なビジネスを構築することで、投資の枠を超えて前進する機会があると考えています」とコメントしている。
グリーン・ゴア氏は「今日と明日のために、データの真正性、ポータビリティ、セキュリティ、プライバシーを推進するには新しい技術とビジネスモデルが必要です」とコメントしている。
編集部のコメント
アフィニディ・グループの親会社であるテマセクは2020年3月時点で約24兆円(3,060億シンガポールドル)の資産を運用しています。テマセクはブロックチェーンをベースとした取り組みに非常に積極的に取り組んでいて、グローバル銀行HSBCとのブロックチェーン債発行プラットフォームの開発に参加して、9月にシンガポール取引所(SGX)で初めて使用されました。その他にもテマセクは5月にLibra協会に参加、昨年末にJP Morganとシンガポール通貨庁(MAS)とのマルチカレンシー決済のためのブロックチェーントライアルを完了したことなどがあげられます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/Nattapon-Kongbunmee・Kateryna-Bereziuk)