JPMorganが独自通貨「JPM Coin」と新規プロジェクト「OnYX」の稼働を発表
JPMorganが開発・運用する独自通貨「JPM Coin」の利用開始と独自デジタル通貨やブロックチェーン技術に関する新規プロジェクトOnYX(オニックス)の立ち上げを行ったことを10月27日にCNBCが報じた。
JPMorganのホールセール決済部門のグローバルヘッドであるタキス・ゲオルガコプロス(Takis Georgakopoulos)氏はCNBCの取材に対して「研究開発から実際のビジネスになり得るものに移行し、これらの技術を商業化する時代に移行していると考えている」とOxynの立ち上げ理由を答えている。
OxYNでは5つのプロジェクトが進行中のようだ。その5つのプロジェクトは企業コンソーシアムのインターバンク・インフォメーション・ネットワーク(IIN)の決済メッセージングシステム「Liink」、独自デジタル通貨JPM Coin、シンガポール通貨監督庁(MAS)との中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクト、ブロックチェーン債務発行プロジェクトのドロメイウス(Dromaius)、ブロックチェーン基盤のクオーラム(Quorum)であることが明らかになっている。
OnYXのCEOに就任したウマル・ファルーク(Umar Farooq)氏は「銀行は取引ごとにデータの確認に数セントの料金を徴収することができ、ミスの修正にかかる費用を節約し、ネットワークに参加することで収入を得るモデルを作ることができるでしょう。また紙の小切手の処理に関しても、現在はロックボックスと呼ばれる物理的な場所で郵便物を処理するために人の軍隊に頼っています。これを根本的に単純化すると、小切手に関連したデジタル情報が掲載され、郵便物を完全に省略できるようになります」とCNBCに答えている。
JPMorgan Chaseの会長兼CEOを務めるジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)氏は「OnYXは金融サービス業界の大きな変革の最前線にいます。この新しいビジネスユニットは、J.P.モルガンのイノベーションへのコミットメントを反映したものであり、より良く、より速く、より包括的な金融システムを実現する最先端のテクノロジーを構築し続けています」とコメントしている。
(images:iStock/Ninja-Studio)