ブロックチェーン活用の貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(トレードワルツ)」にNTTデータや三菱商事ら7社が共同出資

ブロックチェーン活用の貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(トレードワルツ)」にNTTデータや三菱商事ら7社が共同出資

株式会社NTTデータ、三菱商事株式会社、豊田通商株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、兼松株式会社、損害保険ジャパン株式会社の7社が、ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(トレードワルツ)」を運営する株式会社トレードワルツに対して共同出資を行うことを10月27日に発表した。

「TradeWaltz」は貿易情報を電子化し貿易業務における事務処理の効率化や安全性の向上を目的として、NTTデータが開発を進めたプラットフォームである。リリースによると「TradeWaltz」が実用化されれば、貿易に関わる全ての業務を一元的に電子データで管理できるようになり、貿易業務の作業量を最大50%程度削減できると見込まれているとのこと。

従来、貿易業務には多数の書類作成や整合性の確認作業のために多大なコストが発生しており、複数の関係者が取引に介在している貿易業務において正確かつ安全に情報を受け渡す仕組みづくりが業界の垣根を超えた共通の課題となっていたとのこと。このような背景からNTTデータは2017年に業界横断のコンソーシアムを発足し、商社・銀行・保険・船会社等の関係者とともにデジタル技術を活用した貿易業務の改善について議論を重ねてきた。NTTデータはこの議論の結果を踏まえて「TradeWaltz」の開発を開始し、2020年4月にNTTデータら7社の出資を前提に「TradeWaltz」の運営・開発・管理を行う株式会社トレードワルツを設立したとのこと。なお各社による出資は11月までに完了するとのことだ。

今後、NTTデータら7社は密に連携して貿易業務の各種プロセスの中に「TradeWaltz」を順次導入し、必要な機能の追加やシステムの強化を行う。将来的には貿易文書の電子化を検討している国内外の政府機関やサービスプロバイダーと「TradeWaltz」を連携し、ASEANをはじめとした世界の貿易業務のデジタル化にも貢献したい考えだ。

NTTデータら7社は2020年度内に「TradeWaltz」の商用サービスを開始し、2024年度末までに国内外400社の顧客獲得を目指すとのことだ。

編集部のコメント

貿易金融領域においては、IBMと海運大手のマースクが主導する「TradeLens(トレードレンズ)」、ドイツ銀行、HSBCらが関わる「we.trade(ウィートレード)」、R3が主導し三井住友銀行なども関わる「Marco Polo(マルコポーロ)」、シンガポールを拠点としシティバンク、HSBC、スタンダードチャータード銀行らの出資を受ける「Contour(コントゥール)」など数多くのコンソーシアムが存在しており、競合が激しい分野となっています。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/LuckyStep48・KrulUA)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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