(Stake Technologies取締役COO宇野雅晴氏の解説とコメントあり)ステイクテクノロージーズ開発の「PlasmNetwork」がサツドラHDとDataGatewayが取り組む決済システムのブロックチェーン基盤に採用

(Stake Technologies取締役COO宇野雅晴氏の解説とコメントあり)ステイクテクノロージーズ開発の「PlasmNetwork」がサツドラHDとDataGatewayが取り組む決済システムのブロックチェーン基盤に採用

Stake Technologies(ステイクテクノロジーズ)株式会社が、サツドラホールディングス株式会社とDataGateway株式会社が行う決済システムを用いた地域活性化プロジェクトのブロックチェーン基盤にステイク開発のパブリックブロックチェーン「Plasm Network」が採用されたことを10月20日発表した。

この決済システムを用いた地域活性化プロジェクトで行われる実証実験は、北海道地域で使用されている地域共有ポイントカード「EZOCA」への将来的な導入を目指す次世代の決済システム開発への協力と性能検証を行うとのこと(「EZOCA」は2020年5月1日時点で約190万人の会員数を持っており、北海道の世帯カバー率は68.2%とのこと)。

この実証実験では「PlasmNetwork」のテストネットワークである「DustyNetwork」を使用し、本番環境での稼働を見据えて決済システムに求められるトランザクションスピード、ファイナリティの実現、個人認証情報との紐付けなどが実用稼働に耐えられるかを検証するとのことだ。

あたらしい経済編集部は今回「PlasmNetwork」が採用された経緯や理由、どの様な点が評価されたのをStake Technologies株式会社取締役COO宇野雅晴氏へ取材を行った。

Stake Technologies株式会社取締役COO宇野雅晴氏の解説とコメント

元々は本件のプロジェクトパートナーであるDataGateway様より、決済システムを基盤とした北海道地域でのプロジェクト構想のお話をいただきました。

今回のプロジェクトでは、特にリテール決済領域に注力してパブリックブロックチェーンを用いたシステム構築を行います。リテール決済ではトランザクションの処理件数が多いのですが、すでに知られているようにパブリックブロックチェーンではスケーラビリティの問題により、ハイスループットのパフォーマンスを出すことが困難で世界中で様々な解決方法の提案と実装が繰り返されています。Plasm Networkは、この問題を解決すべく開発を進めているブロックチェーンであり、このハイスループットの実現が採用における大きな理由になります。

具体的にはPlasm NetworkはPolkadotに接続する予定で、Polkadotエコシステム内でスマートコントラクトを実装している数少ないレイヤー1ブロックチェーンであり、このレイヤー1上に開発者が簡単にレイヤー2を構築できるモジュールの開発をしています。 また、Plasm NetworkにはDapps rewardsという仕組みがあり、簡単に言えばPlasm Network上のアプリケーション(Dapp)は、アプリケーションの利用量に応じてネットワークから報酬がもらえます。これにより、本決済システムがネットワークから一定の報酬を得られることになれば、現在のキャッシュレス決済では高止まりしている決済手数料の低減などにより加盟店側へのメリットをもたらせられるかもしれないという期待もいただいております。

他にも、システム以外の点になるのですが、インシデント時の対応も含めて日本時間で日本語で迅速なサポートを提供できる点、日本中心の開発でありながらグローバルへの進出を積極的に進めており最新情報と技術を取り入れている点などを評価していただいています。

DataGateway様のデジタルアイデンティティ技術と今回の決済基盤の連携や、今後決済基盤を中心とした様々なデジタル化施策の推進、アプリケーション構築などサツドラホールディングス様の構想は壮大です。弊社としても今回のPoCを通じて、トランザクションスピード、ファイナリティ、レイテンシの実測値がシステム要求に耐えうるかといったことや、ネットワークのガス代の支払い、秘密鍵の保持など検証項目は多岐に渡りますが、本番運用に向けて課題点を解消していきプロジェクトの成功に寄与できればと考えております。

編集部のコメント

ステイクテクノロジーズ開発の「Plasm Network」は今年5月にメインネットのローンチをしています。

また、ステイクテクノロジーズの他企業との提携に関しては、8月に分散オラクルを提供するChainlink(チェインリンク)との技術的提携を発表しています。そして9月には暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する株式会社ビットポイントジャパンと共同でビットポイントジャパンの独自ブロックチェーン基盤の開発開始を発表しています。こちらはビットポイントジャパンが事業化を検討している取引所ネイティブトークン、NFT/DeFi関連サービス、P2P電力取引の基盤を開発していくとのことです。

ステイクテクノロジーズ社開発の「Plasm Network」、「Substrate」などの解説は、あたらしい経済のこちらの記事を参考にしてください。

次世代のブロックチェーン開発のあり方とは? Substrateの可能性(Stake Technologies 渡辺創太) 

【独占取材】Web3 Foundationが選んだ日本企業Stakedが開発するPlasm(プラズム)とは?〜Plasma(プラズマ)ブロックチェーンをみんなの手に<ステイクCTO 山下琢巳氏インタビュー(1)> 

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/null・Nattapon-Kongbunmee・incohre)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。