サイバーエージェントとMG-DXと富士通と富士通研究所が安全で確実な医薬品の配送を目的としたブロックチェーン活用の情報連携プラットフォーム共同実証プロジェクト開始

サイバーエージェントとMG-DXと富士通と富士通研究所が安全で確実な医薬品の配送を目的としたブロックチェーン活用の情報連携プラットフォーム共同実証プロジェクト開始

株式会社サイバーエージェント、株式会社MG-DX、富士通株式会社、株式会社富士通研究所がブロックチェーンを活用した情報連携プラットフォームを実現する共同実証プロジェクトを10月1日に開始したことを10月15日発表した。なおこの共同実証プロジェクトは、オンライン服薬指導における安全・確実な医薬品の配送を目的に2021年9月までの期間で行われるとのことだ。

このプロジェクトでは医薬品のオンライン販売に関わる薬局・ドラッグストア、配送業者、購入者といった異なるステークホルダー間において、購入者の属性情報や医薬品の配送状況などをセキュアに共有可能とする情報連携プラットフォームの構築と、配送時における医薬品の位置情報や授受の把握を可能とするサービスモデル・運用モデルの検証に向けたOTC医薬品(医師の処方がなくても薬局やドラッグストアなどで買える一般医薬品)のデリバリーでの実証実験を実施する。

なおこのプロジェクトで構築をするプラットフォームには、富士通研究所が開発したブロックチェーン活用のアイデンティティー流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」を実装した情報流通・活用プラットフォームを用いられるとのこと。

各社の役割として、サイバーエージェントは同社のブロックチェーン技術の研究開発組織「ブロックチェーンスタジオ」において、各ステークホルダーの間で購入者情報や医薬品配送状況を相互に連携する情報連携プラットフォームの仕様作成および構築を行う。MG-DXについては薬局・ドラッグストアや配送業者向けのアプリの提供、および情報連携プラットフォームを実装した新サービスのビジネスモデル、運用モデルの検討を行うとのこと。また富士通研究所では、異なる事業者が保有する購入者情報や医薬品配送状況などの属性データを改ざん不能な電子証明書として連携可能にする「IDYX」を実装した実証システムを構築・提供し、富士通は情報連携プラットフォームの運用モデルと技術の有用性を検証するとのことだ。

サイバーエージェント、MG-DX、富士通、富士通研究所の4社は、2020年度中に医薬品情報の連携プラットフォームの実用化に向けた技術とサービスモデルの検証を完了させる予定とのこと。また2021年度中に情報連携プラットフォームの実用化を進め、そこで得られた知見をもとにMG-DXが提供するオンライン服薬指導の実施支援サービス「AI薬師™」への適用や新サービスの開発など、医薬品販売や配送に関わる各ステークホルダー間において医薬品の情報を安心安全に連携できるサービスの実現を目指すとのことだ。

なお、このプロジェクトを通してサイバーエージェントとMG-DXは、ブロックチェーンやAI技術を活用した情報管理・収益化施策の提案・運用・実行を一気通貫して支援できるサービスを確立し、薬局・ドラッグストアのDX推進を支援するとのこと。また富士通研究所と富士通は「IDYX」に加え、組織をまたがるデータやモノのトレーサビリティを担保する独自技術「Chain Data Lineage」を活用し、情報連携プラットフォームの価値を向上させるとともに、様々な業界に対して高信頼なデータ流通・活用技術を提供していくことで社会全体のDX実現に貢献していくとのことだ。

編集部のコメント

プレスリリースによると今回の実証実験を行う背景として、2020年4月10日に厚生労働省が発出した「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を受けて、国内の薬局やドラッグストアではオンライン服薬指導の導入が進められていることが影響しているようです。

オンライン服薬指導後の医薬品の配送には品質を確保しながら速やかに、かつ誤りなく医薬品を購入者に届けるために、配送から受領までの確実なデリバリー情報の管理が必要とのことで、現在、薬局およびドラッグストアと各配送業者間はシステム連携が確立されていないことから、医薬品販売や配送に関わる各ステークホルダーは、購入者の情報や医薬品の配送状況などの情報を、それぞれに直接確認しなければならないといった情報管理工数が課題となっているとのことです。このような背景から4社の強みを活かした実証実験が行われるとのことです。

富士通では富士通研究所開発のブロックチェーンを活用したアイデンティティー流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」を利用した他のプロジェクトを今回の発表と同日15日に発表しています。

「JCB、みずほ銀行、富士通がデジタルアイデンティティーの相互運用に関する共同実証実験開始」 この実証実験では、ID情報流通技術の有用性の検証と実証システムの利用を通じて、アイデンティティー基盤を実現するための、システム構築の要件や運用方法を検証するとのことです。

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/Who_I_am・Anton-Salnikov)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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