米ユタ州がブロックチェーンベースの医療データ共有システム構築のためHHSテクノロジーグループと提携
BtoBソリューションを提供するソフトウェア企業HHSテクノロジーグループ(HHS Technology Group:HTG)が米国ユタ州と提携しブロックチェーンを活用した、災害時などに患者の診療情報を医療提供者間で共有するためのシステムを構築することを9月14日に発表した。
リリースによると今回の提携は「自然災害やパンデミックが起こった際に、自分の診療記録にアクセスできない患者が適切な治療を受けることができず、結果的に社会全体の健康リスクが高まってしまう」という問題に対処することを目的としているとのことだ。
今回HTGとユタ州が構築する診療情報共有システムは、企業向けブロックチェーンである「ハイパーレッジャーファブリック(Hyperledger Fabric)」を基盤にして開発されたHTG提供のクラウドベース製品「メディブック(MediBook)」を元に構築されるとのこと。
メディブックはブロックチェーンベースのデータ共有システムであるため、医療提供者はブロックチェーンのデジタルウォレットを介して24時間365日患者データへのアクセスが可能とのこと。
またメディブックでは、医療提供者が患者の診療記録に安全にアクセスし共有することができるため、初診の患者であっても迅速かつ効果的に医療サービスを提供できるとのこと。
さらにメディブックはアメリカ保健福祉省国家医療IT調整室(ONC)とメディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)が定める患者データの共有規制基準に完全に準拠しているため、データ共有の際の安全性も確保されているとのことだ。
編集:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/NatalyaBurova・dalebor)