中国のデジタル人民元(中央銀行デジタル通貨)のウォレットアプリが一時利用可能に
中国建設銀行の利用者が中国のデジタル人民元(中央銀行デジタル通貨/CBDC/DCEP)のウォレットアプリを一時的に利用できたことをCoindeskが報じた。
ユーザーが中国語で「数字货币(デジタル通貨)」と検索し、デジタル人民元ウォレットサービスに移動し、中国建設銀行の銀行口座に紐付く携帯電話番号を登録することで、ウォレットアプリを有効化することができたとのことだ。そして実際に一部のユーザーはデジタル人民元の少量取引を行うことに成功したとのこと。
しかしすぐに中国建設銀行はこの機能を無効化したようだ。そしてユーザーがウォレットアプリ内でデジタル通貨と検索すると「この機能はまだ公式には公開されていません。今しばらくお待ちください」というメッセージが表示されるようになったとのことだ。
編集部のコメント
Ledgerinsightsによると、中国銀行の元総裁で現在は中国インターネット金融協会でブロックチェーン研究グループを率いるLi Lihui(李立辉)氏はデジタル人民元は最終的に紙幣を置き換える役割を担うことを目指していると発言しています。あわせてLi Lihui(李立辉)氏は各国通貨の統合と通貨スワップシステムの必要性から、国際的に利用することは現段階では考えにくいとも発言しています。これからのことから、デジタル人民元はまず中国国内で現金と同様の決済手段として普及させることが第一の目的なのではないでしょうか。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/antoniokhr・NatanaelGinting・Igor-Korchak・Guzaliia-Filimonova)