米国のスターバックスで販売されているコーヒー豆のサプライチェーン情報がブロックチェーンによって追跡可能に
米国のスターバックスコーヒーの店舗で販売されているコーヒー豆のサプライチェーン情報が、ブロックチェーン技術によって追跡(トレーサビリティ)ができるようになったことを8月25日ブルームバーグが報じた。
ブルームバーグによると、スターバックスの店舗でコーヒーを購入した顧客はコーヒー豆の袋に添付されているコードを読み取ることで、豆の生産地や焙煎元を確認することができ、さらにバリスタからそのコーヒーの淹れ方の情報を得ることができると、スターバックスのコーヒー・ココア・紅茶のグローバル事業部シニアバイスプレジデントであるMichelle Burns(ミシェル・バーンズ)氏が述べているとのこと。
また同氏は、今まで自分たちが生産したコーヒー豆がどのようにブレンド・販売されたのか知らなかった生産農家もコーヒー豆のサプライチェーン情報を確認することができるようになるとのことだ。
編集部のコメント
今回のこの取り組みはスターバックスが2018年3月にコロンビア・コスタリカ・ルワンダの農家と協力し、ブロックチェーンでコーヒーのサプライチェーンを追跡するプロジェクト「Bean to Cup(ビーン・トゥー・カップ)」によるものです。このプロジェクトはコーヒー豆のトレサビリティをはじめ、最終的にはユーザーとコーヒー農家を結び付け新しい経済機会を作ることを目的としています。なお、このプログラムはオープンソース化するとのことです。またスターバックスは2019年5月に「Bean to Cupプロジェクト」にMicrosoft社のBaaS(Backend as a Service)であるAzure Blockchain Serviceを導入することを発表しており、今回発表されたトレーサビリティシステムにはAzure Blockchain Serviceが利用されています。
また今回のニュースと同じコーヒートレーサビリティシステムとして「IBM Food Trust」を利用して開発された「FARMER CONNECT(ファーマーコネクト)」があります。「FARMER CONNECT」ではモバイルアプリ「Thank My Farmer(サンクマイファーマー)」を使用することで消費者がコーヒーのトレーサビリティを行い「FARMER CONNECT」上で繋がっているコーヒーの生産者に対し、チップや感謝の気持ちを送ることも可能です。「Thank My Farmer」の開発にはBeyers Koffie、The Colombian Coffee Growers Federation(FNC)、伊藤忠商事をはじめとした、大手グローバルサプライチェーン企業9社が参画をしています。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/robtek)