クロステック・マネジメントとスタートバーンがブロックチェーンを活用した若手アーティスト作品の流通モデル構築に向けて提携
株式会社クロステック・マネジメントとスタートバーン株式会社が若手アーティスト作品の新たな流通モデル構築に向けて提携したことを8月25日発表した。
クロステック・マネジメントは京都芸術大学の学内ベンチャーで、IoTクリエイターの育成やスタートアップ事業の支援を行う企業。スタートバーンはブロックチェーンの技術を用いてアート作品の流通を支えるインフラ「Startrail」および「Startrail」に接続するサービス「Startbahn Cert.」の構築や法人・団体とのブロックチェーン共同事業などを展開している企業。
今回の提携により両社は、株式会社ワコールが京都・丸太町エリアに新しくオープンする「京の温所 竹屋町」にて展覧会「1日1組:宿泊者のためだけの展覧会」を開催する。この展覧会ではクロステック・マネジメントによるキュレーションで京都芸術大学出身アーティストの作品を展示し、その作品が鑑賞・購入される機会を提供するとのこと。またスタートバーンによるブロックチェーン技術によって作品の価値保証と二次流通による還元金獲得の仕組みも提供するとのことだ。
また今後両社はこの展覧会の他、京都芸術大学の在学生および卒業生を始めとした若手アーティストの新たな作品流通モデルの構築に取り組んでいくとのことだ。
編集部のコメント
スタートバーンの推進するブロックチェーン技術(イーサリアム)を用いたアートの流通インフラ「Startrail」は、作品を登録することで作品の証明書がブロックチェーン上に発行され、作品所有者の所有権証明と来歴記録(トレーサビリティ)が可能になります。そして、これらの情報を活用して作品の二次利用(二次創作を含む)における著作権管理やエディション管理、クリエイターへの還元金の授受などを、スマートコントラクトを用いた契約の自動執行プログラムによって可能にします。
「Startrail」がアート業界における他のブロックチェーンアプリケーションと異なる点は、ガバナンストークンをベースにしたガバナンスを採用し、合意形成に基づいた情報の更新を可能にしたこと、同じイーサリアムネットワーク内でのプロジェクトの相互運用ができること、他のブロックチェーンとの作品証明書の行き来を可能にしたことです。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/Yevhen-Lahunov)