みんな電力がブロックチェーンを活用したトレーサビリティプラットフォーム「ENECTION2020」をBaaSとして提供開始
みんな電力株式会社が事業多角化に向け同社開発のブロックチェーンを活用したP2P電力トレーサビリティシステム「ENECTION2.0」の処理速度を60倍に高速化し、また同システムをBaaS(Backend as a Service)として提供開始することを7月30日発表した。
「ENECTION2.0」は、みんな電力社が2018年に商用化をしたP2P電力トレーサビリティシステム。今回このシステムにて利用していたブロックチェーンをStellar(ステラ)のパブリックブロックチェーンに変更することで処理速度を60倍に高速化し、「ENECTION2.0」を「ENECTION2020」に名称変更したとのこと。
「ENECTION2020」は「顔のみえる電力」を始めとした同社の提供する「顔の見えるライフスタイル」事業の基盤に活用するとのことだ。
なお「ENECTION2.0」では、台帳への書き込み処理リクエストを1件ずつ行っていたところ、「ENECTION2020」では一度に4件の書き込み処理リクエストを行うことで処理速度の高速化を実現し、さらに手数料が最大約1万分の1まで削減できたとのことだ。また「ENECTION2020」の実装には、アマゾン ウェブ サービスのAWS Lambda/Dynamo/SQSを活用しているとのこと。
編集部のコメント
みんな電力株式会社では「ENECTION2020」を活用した事業として、2016年に開始した発電者と生活者をつなぐ電力小売りサービス「顔の見える電力」や、2020年3月より開始した店舗やオフィスなどの改善された空気の状態をブロックチェーンに記録する「顔の見える空気」、そして同年6月にはスマートフォンで使用されるリチウムイオン電池の原料である希少金属のトレーサビリティプラットフォームの構築を検討する「顔の見えるバッテリー」などを展開しています。
また、みんな電力では今後「ENECTION2020」を活用して、健康な生産物ときれいな水を生み出す土環境の実現を目指す取り組みや、国産材のトレーサビリティを実現し、住居の購入やリフォームを検討する消費者が自由に国産材の種類を選択し、購入することができる仕組みづくり、そしてデジタルコンテンツやデジタル広告にも事業を展開していくとのことです。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/liuzishan・phochi)