米証券取引委員会(SEC)認可のデジタル証券ファンド「Arca U.S.Treasury Fund」が販売開始
米デジタル資産投資会社Arca(アーカ)が、米証券取引委員会(SEC)に承認されたファンドである「Arca U.S.Treasury Fund」の販売開始を7月6日に発表した。
なお「Arca U.S.Treasury Fund」は、1940年投資会社法(the Investment Company Act of 1940)に基づいたデジタル証券としてトークンを発行するファンドとして、SECから承認を受けた初めての例となる。
「Arca U.S.Treasury Fund」では株式をイーサリアムベースのトークン「ArCoin」の形で提供をするとのこと。つまりこのファンドへの投資家は受益者としての権利を示す証券の代わりにデジタル証券として「ArCoin」を受け取ることになる。
「ArCoin」1枚がファンド1株に対応しており、「ArCoin」の保有者は四半期ごとにリターンを受け取ることができる。またこの「ArCoin」はブロックチェーンで管理されているため、株主は「ArCoin」を直接譲渡することが可能となっているとのことだ。
なお「Arca U.S.Treasury Fund」は、ポートフォリオの80%をリスクの低い米国の財務省証券に充てているとのこと。またSECが承認するファンドの基準を満たすためにイーサリアムトークンERC-1404規格を採用することで、保有者から規制範囲外へArCoinが流出することを防ぐ機能を備えている他、日次の純資産価値報告、破産保護、定期的な財務諸表の報告、第三者機関による監視などを提供するとのこと。
また発表によると、Arca社はSECの規制基準を満たしつつブロックチェーンの効率性を活用できるような金融商品を提供することで、デジタル・エコシステムを次の段階へ進めることを目指すとのこと。
「Arca U.S.Treasury Fund」への投資は7月6日より開始されており、1,000ドル(約10万7,000円)から購入可能となっている。なお購入の際には本人確認(KYC)およびアンチマネーロンダリング(AML)に必要な書類を提出する必要があるとのことだ。
編集部のコメント
Arcaは従来の金融と最先端のブロックチェーン技術の融合を目指すデジタル資産投資会社です。Arcaは投資部門であるArca Fundsと開発部門であるArca Labsの2つのコア事業から成り立っており、今回販売開始をした「Arca U.S.Treasury Fund」はArcaの最初の製品となっています。
Arcaは2019年の4月にSECに対してデジタル証券を発行するファンドの申請を出しており、そこから1年以上経ってようやく認可が下り、「Arca U.S.Treasury Fund」を販売することになりました。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/dalebor・kentoh)