LayerXが独自分析フレームワーク「LEAF」に基づくエンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポートを公開

LayerXが独自分析フレームワーク「LEAF」に基づくエンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポートを公開

株式会社LayerXが、同社独自のブロックチェーン基盤分析フレームワーク「LayerX Enterprise blockchain Analysis Framework(LEAF:リーフ)」を6月30日公開した。またこの公開と同時に代表的なエンタープライズ向けブロックチェーン基盤であるCorda、Hyperledger Fabric、 Quorumについての分析結果も公開した。

LEAFはブロックチェーン基盤を問わず、基本設計、プライバシー、 インターオペラビリティに関して分析・比較を可能にするフレームワーク。ブロックチェーンを用いたシステム設計の検討コスト削減を目的に公開されたものだ。

LEAFと同時に発表された分析結果については、今後計3回に分けて基本編、プライバシー編、インターオペラビリティ編を公開する予定とのことだ。

「エンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート基本編」のレポートはこちら

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「エンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート基本編」の執筆代表者でLayerXのリードエンジニアである三津澤将司(みつざわまさし)氏は「LayerXでは多様な領域で、経済活動のデジタル化にまつわるユースケース実装の設計・実装を行っており、その過程で各基盤の技術的特性、ユースケースに対する適正を検討してまいりました。LEAFを公開することでコミュニティの皆様の基盤検討や各基盤の改善の一助となり、ユースケースの実装を念頭においた設計・実装の議論を活発化させることができれば幸いです」とコメントをしている。

編集部のコメント

プレスリリースによると今回LEAFを公開した背景として「現在ブロックチェーンのエンタープライズにおけるユースケースが急速に増加しており、国内外で多くの商用化事例が存在している。そしてブロックチェーン基盤は基盤ごとに設計思想が大きく異なり、技術特性もそれに応じて変わってくるため、各基盤で充足可能なセキュリティ要件、適性のあるユースケース、プライバシーの要件、インターオペラビリティ実現の難易度が異なる。そこでLEAFを公開することで、ユースケースに応じた基盤検討を行なう際の観点を明確化するとともに各基盤の検討負荷を軽減し、ブロックチェーンの円滑な社会実装の推進に資することを目指した」と説明がされています。

また今回公開された分析結果である「エンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート基本編」では、ブロックチェーンの複数組織間でのデータ共有を行なうソフトウェアとしての側面に注目し、Corda、Hyperledger Fabric、Quorumという基本設計の異なるブロックチェーン基盤の状態データ複製のプロセスをトランザクションが作成されてから状態データが更新されるまでのトランザクションフローの各フェーズ(1. トランザクションの作成、2. コンセンサス、3. 配布、4. 解釈・検証、5. 更新)に分類し、それぞれのフェーズでどのような状態データ書き換えロジック・検証ロジックが実行されるか、各ノードがどのようなデータを受信し永続化するか、それらがセキュリティやアプリケーションの実装にどう影響するかを整理し、各基盤の技術的特性の分析を行っているとのことです。また同レポートで提案するトランザクションフローの分析はCorda、Hyperledger Fabric、Quorum以外のブロックチェーン基盤にも応用可能とのことです。

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/nisaul-khoiriyah)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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