欧州イノベーション評議会(EIC)がソーシャルグッドなブロックチェーンスタートアップ6社へ合計560万ドルの支援
欧州イノベーション評議会(EIC:European Innovation Council )が、6社のブロックチェーンスタートアップに560万ドルの助成金を支給したことを明らかにした。この助成金は、EICが主催した「EIC Prize on Blockchains for Social Good」で各賞に採択された企業へ支給される。なおこの賞にはQuality Content(コンテンツの質)、Traceability & Fair Trade(トレーサビリティとフェアトレード)、Financial Inclusion(金融包摂)、Aid & Philanthropy(援助と慈善活動)、Decentralised Circular Economy(分散型循環経済)、Energy(エネルギー)の6種類がある。
「EIC Prize on Blockchains for Social Good」の目標は、社会的イノベーションのためのブロックチェーンの分散化された応用を探求する開発者と市民社会の努力を認め、支援すること。この賞はトレーサビリティやフェアトレード、金融包摂、分散型循環経済、公共プロセスの透明性、民主的意思決定への参加、公的記録の管理などの分野を対象とすることを提案している。
受賞した6社は、オランダ「WordProof(ワードプルーフ)」、イギリス「PPP(ピーピーピー」、フィンランド「GMeRitS(グメリッツ)」、アイルランドのオックスファムとフランスのスタートアップSempoによって設立されたアンブロック・キャッシュ・プロジェクト「OXBBU(オウエックスビービーウー)」、ブロックチェーンプラットフォーム「CKH2020」、イタリアの「PROSUME(プロジューム)」だ。
編集部のコメント
WordProofは真正性を証明し、情報を検証可能なものにするために、WordProof Timestampエコシステムを開発しています。
英国の社会的企業Project Provenanceによって開発されたPPPは、企業が自社のビジネスや製品の背後にあるサプライチェーン全体で社会的影響を証明できるようにするためのコンセンサスアルゴリズムであるProof of Point(プルーフオブポイント)を開発しています。
GMeRitSは様々な反競合的な報酬やガバナンス構造を評価するために、オルタナティブな経済構造を用いた大規模な実験を行っています。
アンブロック・キャッシュ・プロジェクト OXBBUは、被災した女性や男性に国際援助を効率的かつ持続的に届けるための分散型モデルを開拓しています。
フランスの協同組合Kleros(クレロス)によって生み出されたCKH2020は、電子商取引や共同経済における消費者の紛争を解決するためのプラットフォームで、陪審員の選択と裁定の両方がブロックチェーンによって規制されています。
イタリアのPROSUMEは再生可能エネルギーの生産者でもある消費者を対象に、ピアツーピアのエネルギー取引のための分散化された自律的なデジタルマーケットプレイスを提供するプラットフォームを構築しています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/pgraphis・bagotaj)