ブロックチェーン関連企業R3とiExecとIoTexがFacebookなどが属するデータプライバシー特化のコンソーシアムへ参加

ブロックチェーン関連企業R3とiExecとIoTexがFacebookなどが属するデータプライバシー特化のコンソーシアムへ参加

ブロックチェーン関連企業のR3とiExecとIoTeXがデータプライバシーに取り組むテクノロジー企業のコンソーシアム「Confidential Computing Consortium(CCC:コンフィデンシャル・コンピューティング・コンソーシアム)」へ参加したことを海外メディアDecryptoが報じた。このConfidential Computing Consortiumには、Facebook、Accenture、NVIDIA(エヌビディアコーポレーション)などが参加している。ちなみにこのコンソーシアムの年間予算は80万ドルとのことだ。

このコンソーシアムでは機密性の高い暗号化されたデータを別のハードウェアベースの「Trusted Execution Environments(TEE/信頼された実行環境)」における処理の研究・実践を行なっているとのこと。

NVIDIAのチーフプラットフォームアーキテクトであるRobert Ober(ロバート・オバー)氏は「Linux Foundationの一部であるCCCは、業界共通のプラクティスでこれらのシステムのセキュリティを協力的に改善するという私たちと同じ目標を共有するパートナーを提供してくれます」とコメントしている。

R3のCTOであるRichard Gendal Brown(リチャード・ブラウン)氏は「機密コンピューティングはR3の数年にわたる研究開発を支えてくれました。R3はマルチパーティ計算プラットフォームであるConclave(コンクラーベ)の最近のベータリリースに機密コンピューティングを搭載しています。そしてConfidential Computing Consoritumとの協力は、ユーザーのプライバシーを保護するというこの永続的なコミットメントをさらに一歩進めていくものです」とコメントしている。

編集部のコメント

Decryptによるとブロックチェーンスマホ「HTC Exodus」は、秘密鍵を保護するために取引に署名する際にTEEを使用しているとのことです。これにより機密データへのアクセスが困難になるだけでなく、機械学習アルゴリズムによる情報の流出を防ぐことができるとのことです。

TEEはブロックチェーンにおけるセキュリティ課題を解決しうる現実解として注目されている技術です。日本ではLayerXが次世代のプライバシー保護技術「Anonify」にTEEを採用しております。

LayerX主催の「blockchain.tokyo Online#4 Anonify・TEEを徹底解説!」というイベントで、Anonifyチームリーダーの須藤欧佑氏も「TEEはブロックチェーンのセキュリティ課題を解決する上で現実解に近い」と話していました。

今後データセキュリティは各テクノロジー産業で議論され、実装される領域です。どのように透明性、公共性を持ちつつ、処理速度と安全性の高い技術が実装されていくか非常に楽しみです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/RaStudio・dalebor・gintas77)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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