Vanguard(ヴァンガード)のブロックチェーンベースの外国為替取引システムが2020年第3四半期にローンチか
米国大手資産運用企業Vanguard(ヴァンガード)が開発する外国為替取引用のブロックチェーンプラットフォームが、2020年第3Qにローンチ予定であることをCoindeskが報じた。
Vanguardは6月23日にテクノロジープロバイダーであるSymbiont(シンビオント)が開発する分散型台帳システムを活用し、Bank of New York Mellon(バンクオブ・ニューヨークメロン)、State Street(ステート・ストリート)、Franklin Templeton(フランクリン・テンプレトン)と共同で、先物為替取引に関してシュミレーションテストを行ったことを発表している。その結果を踏まえて、Symbiontの外国為替リードのJoe Siccarelli氏(ジョー・ジッカレリ)氏が「ブロックチェーンベースの外国為替プラットフォームが2020年の第3四半期に起動開始すると考えている」とCoindeskの取材に対して答えている。
Vanguardの広報担当者であるMelissa Kennedy(メリッサ・ケネディ)氏は「今回のシュミレーションテストは、外国為替先物契約のような担保連動商品における補償されないリスクの領域に対処する機能の一部を証明するのに役立っています。今後12ヶ月間、パートナーと共にプラットフォーム上での機能開発を継続していきます」と電子メールでのリリースにてコメントしているとのこと。
編集部のコメント
このシュミレーションテストは、外国為替のスワップ取引やアウトライト取引を含むすべての外国為替契約に適用される金融商品のユースケースを証明するものでした。外国為替取引におけるアウトライト取引とは、主に輸入企業が為替の不利な変動をヘッジするための取引です。具体的には取引時のレートを利用することで将来的なキャッシュフローを安定化、コストを最小限に抑えるための取引のことです。
Vanguardのブロックチェーン関連のニュースが6月は続きましたが、起動開始の時期も明らかになってきており、ブロックチェーンが金融領域にマスアダプションが着々と進んでいるように感じます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/(xu-bing・alfexe)