IoT企業EVRYTHINGとブロックチェーン企業Arianeeが提携し高級ブランド品の真正性を証明

IoT企業EVRYTHINGとブロックチェーン企業Arianeeが提携し高級ブランド品の真正性を証明

IoT企業EVRYTHING(エブリシング)がブロックチェーン企業Arianee(アリアニー)と提携し、ブロックチェーン技術を利用した高級ブランド品の真正性証明の実現を目指すことを6月17日にプレスリリースにて発表した。

EVRYTHINGはQRコードやNFTを用いて製品にデジタルIDを割り当てるIoT技術を開発する企業。同社はデジタルIDを付与した製品を追跡し、材料調達から製造、小売り、リサイクルに至るまでのデータを収集している。同社の顧客にはラルフローレン、プーマ、コカ・コーラなどがある。

Arianeeはデジタル証明書を発行して高級ブランド品を認証するブロックチェーンプラットフォームを開発する企業。同社が運営するブロックチェーンコンソーシアムにはカルティエやダンヒルなどのブランドを持つリシュモン財閥などが参加している。

高級ブランド品の偽造はブランド企業にとって長年の問題となっており、EVRYTHINGのデジタル化技術・追跡技術とArianeeのブロックチェーンを用いた証明技術によって、偽造品の排除を目指すとのことだ。

またEVRYTHINGはEVRYTHING Blockchain Integration Hubというサービスを提供している。これは顧客となるブランドにとってどのブロックチェーンソリューションと機能が適しているかを費用対効果の側面から提案し、ブロックチェーンソリューションの活用を支援するサービスとなっている。

EVRYTHING Blockchain Integration(インテグレイション) Hubには現在、IOTA、OriginTrail、Tierion、BLOCKv、Bitcoin、Ethereumが含まれており、ここにArianeeが加わることで、顧客はより多様な選択肢からブロックチェーンソリューションを選ぶことができるようになるとのことだ。

編集部のコメント

2018 Global Brand Counterfeiting Report(グローバルブランド偽造報告書)によると高級ブランドの偽造品による売り上げの損失額は、オンラインだけでも303億ドル(約3兆2,400億円)を超えており、ブランド企業にとっても無視できない規模になっています。

そこで注目されているのが、今回のような製品へのIDの付与と流通経路の監視です。製品一つ一つにデジタルIDを付与し製造から消費までを監視するという方法はかなりコストがかかるため、単価の安い消費財などへの実装をすることは難しい場合もありますが、高単価な高級ブランド品にとってはとても相性が良いソリューションではないかと考えます。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/LuckyStep48・antoniokhr)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。