EYが米国で暗号資産の納税申告を支援するSaaS「EY CryptoPrep」の提供開始
EY US(Ernst & Young LLP )がアメリカでの税務申告を支援するSaaS(Software as a Service)「EY CryptoPrep」の提供を開始したことを発表。
「EY CryptoPrep」はウェブベースの自動化されたエンタープライズ向けの暗号資産の税務エンジンサービスで、暗号資産税務計算や税務プロセスのガイダンスサービスなどを提供。
そして「EY CryptoPrep」は、主要な暗号資産や取引所などをサポート。このサービスでは取引データを集計して照合し、適切な税務ルールを適用して、取引における暗号資産の利益や損失の計算ができる。さらに現在の課税年度の暗号資産債務を計算し、過年度の修正申告書を提出して過去の納税義務を調整することも可能だ。
コアとなる技術やサービスは、EYが提供する「EY TaxChat」や「EY Blockchain Analyzer」を介し、マネージドサービスとしてクライアントに提供される。
EY USの税務サービス担当でVice Chair(バイス・チェア)のMarna Ricker(マーナ・リッカー)氏は「当社のクライアントは、暗号資産を保有して取引を行うことが増えており、暗号税申告の複雑化に対応するための革新的なソリューションを必要としていました。サービスを開発したEY Foundryは当社の社内ベンチャーユニットであり、暗号税の会計プロセスを近代化することを目的にEY CryptoPrepを作りました」とコメントしている。
EY FoundryのリーダーであるChirag Patel(チラグ・パテル)氏は「EY CryptoPrepは、新しいデジタルビジネスを成功させている当社の革新的なポートフォリオを拡大するものです。EY CryptoPrepは、クライアントの進化するニーズに対応するための当社の取り組みを示すもう一つの大きな成果です」とコメントしている。
編集部のコメント
EYはブロックチェーン領域に注力している監査法人です。例えば、2019年12月には、コーディングエラーやマルウェアの存在など、スマートコントラクトの250以上の潜在的な脆弱性をチェックできるツール「Smart Contract Analyzer」をリリースしています。
そしてMicrsoft、Consensysらとエンタープライズ向けのパブリックブロックチェーンのプロトコル「Baselayer Protocol」の開発なども行なっています。さらに、EYは独自のパブリックチェーン「Nightfall」を実装しています。
今後もEYは従来と将来の監査業務のあり方の接合点をうまく捉え、クライアントファーストにソフトウェアサービスを提供し続けるのではないでしょうか。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/Aleksei_Derin・dalebor)