博報堂DYメディアパートナーズとアーリーワークスがブロックチェーン型データベースを活用したソリューションを提供へ
株式会社博報堂DYメディアパートナーズが、株式会社アーリーワークスと業務提携することを6月9日発表した。これによりブロックチェーンを活用した企画開発からシステム開発まで一気通貫したソリューションを提供できる体制を構築するとのことだ。
このソリューションにより、昨今急激に増大しているIoTデバイスをはじめ、あらゆるメディアから生み出される膨大なデータを、安全に収集・管理・利用するためのデータベースを構築することでメディア産業の成長を支援するという。
なおこのソリューションは博報堂DYメディアパートナーズが持つメディア企業とのネットワークと、同社内のdApps新規事業開発プロジェクト「PlayAsset」が持つブロックチェーンに関する知見、そしてアーリーワークスが開発したブロックチェーン型超高速データベース「Grid Ledger System(GLS)」の3つをを掛け合わせ構築がされるとのこと。
アーリーワークスの「GLS」は従来の完全分散型ブロックチェーンではなく、一部に中央集権的な発想や取引ごとに承認が可能な高速化技術であるDAGを取り入れているとのこと。これにより「GLS」はコストの観点から従来のデータベースでは実現することが難しかった高いセキュリティを担保しながら、スピードとスケーラビリティも実現することを可能にしているとのこと。
博報堂DYメディアパートナーズは「PlayAsset」で構想中である大量のデータを高速に処理することが求められるdAppsゲーム領域にアーリーワークスの「GLS」を活用することで、各企業の更なる成長の支援や新たなビジネス開発が可能になると考えているとのこと。
また博報堂DYメディアパートナーズは、dAppsゲーム領域の他にも広告領域をはじめ、自動運転などのMaaS領域、スマートシティ、ウェアラブルデバイス、新しいデジタル空間などの新たな産業として期待される領域で、かつ大量のデータを高速に処理することが求められる領域を中心に「GLS」を活用したビジネスの可能性を探索するとのことだ。
編集部のコメント
株式会社アーリーワークスは日本電気通信システム株式会社(NEC通信システム)とも超高速次世代型ハイブリットデータベース「SmokeDB」の構想実現に向けた共同研究を2020年1月より開始しています。
「SmokeDB」はデータの管理を複数のサーバー相互間で情報通信を使用して行い、ネットワークに流れる情報を持ち合うことができるとのことで、それによりシステム障害に対し耐性が高く、高いセキュリティを合わせ持つ、安定的なデータサービスの運用・提供が可能となるとのことでした。また「SmokeDB」にはアーリーワークス社の「Grid Ledger System(GLS)」が採用されています。
また博報堂DYメディアパートナーズは昨年12月に「HAKUHODO Blockchain Initiative」とSingulaNet株式会社とともに、ブロックチェーン技術を活用したテレビ番組のファン育成プラットフォーム「LiveTV-Show」を発表しており、昨年10月にはブロックチェーン技術を活用した分散評価システム「PlayChain」の開発やIPコンテンツの著作権をブロックチェーンで管理する「IP Ledger」の開発を行っています。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/LuckyStep48)