6月6日18:30分追記
ソラミツらが会津大学でブロックチェーンベースのデジタル地域通貨「Byacco/白虎」を7月1日より正式運用開始
ソラミツ株式会社、有限会社スチューデントライフサポート、株式会社AiYUMUが、ブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは(Hyperledger Iroha)」を活用し、トークン型のデジタル地域通貨「Byacco/白虎」を開発し、2020年7月1日から福島県会津若松市の会津大学内で正式運用を開始することを発表した。
「Byacco/白虎」は、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発した世界初の中銀デジタル通貨「バコン」の技術を活用し、日本向けに最適化したデジタル通貨。
デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の特徴として、ブロックチェーンを活用することでデータ自体に現金と同様のファイナリティを持つこと、様々な地域へのカスタマイズ可用性、転々流通を実現し、個人間・企業間の決済・送金や企業内の経費清算などをスピーディに実施し、業務効率の向上、少子化対策、資金繰りを改善するポテンシャル、二重支払いや偽造を防止、2秒以内の支払いや毎秒数千件の取引の実現などが挙げられている。
具体的に「Byacco/白虎」が利用できる場所は、SLSが運営する会津大学内の売店やカフェテリア等が現段階で明らかになっている。
あたらしい経済編集部はソラミツ株式会社代表取締役社長宮沢和正氏へ「1.会計的な観点から考えて、なぜ会津市は「Byacco/白虎」導入を決断したのでしょうか。 2.トークン型、口座型を技術実装の観点から比較した際に、どのような違いがありますでしょうか。 3.今後ソラミツとして、最も実現したいことはなんでしょうか。」と質問を投げかけた。
-会計的な観点から考えて、なぜ会津市は「Byacco/白虎」導入を決断したのでしょうか。
会津市はデジタル・トランスフォーメーション(DX)が東北大震災からの復興に繋がると判断したからです。
-トークン型、口座型を技術実装の観点から比較した際に、どのような違いがありますでしょうか。
口座型は中央集権のピラミッド構造になり、トークン型はフラットな分散型で新型コロナ対策に向いています。
-今後ソラミツとして、最も実現したいことはなんでしょうか。
新型コロナ対策に向いた地域分散型社会、地産地消、ブロックチェーンにより緩やかに地域が繋がってゆく社会の実現です。
ソラミツによると、今後は日本や海外の中銀デジタル通貨との連携、クロスボーダーの送金や決済を実現、他の様々な地域でのデジタル通貨を展開して行きたいとのこと。
編集部のコメント
ソラミツは、ブロックチェーンの技術開発、フィンテックデジタル資産管理、およびアイデンティティ、トレーサビリティに関するソリューションを提供する日本のフィンテック・スタートアップ企業です。
これまでにソラミツは、ブロックチェーン技術を活用し、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム、モスクワ証券取引所グループの証券保管振替システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムなどを開発してきた実績があります。 そしてソラミツは、オープンソースのコンソーシアム型ブロックチェーン・プラットフォーム「ハイパーレジャーいろは」の開発者であり現在も主要な開発貢献者です。
現在 「ハイパーレジャーいろは」は、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部になっています。 ソラミツはカンボジア国立銀行のデジタル通貨システム「バコン」システムの共同の知的財産権を保有しているということで、その技術基盤や権利をどのようにグローバル展開していくか非常に楽しみです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock /antoniokhr)