クラウドソーシング型ヘッジファンド「Numerai(ヌメライ)」の300万ドルのトークンセールにUnion Square Ventures、Placeholderらが参加
クラウドソーシング型ヘッジファンドNumerai(ヌメライ)が、300万ドルの独自通貨NMR(Numeraire)のトークンセールを完了させたことを同社ツイッターで明かした。
Union Square Ventures(ユニオンスクエアーベンチャーズ)、Placeholder(プレイスホルダー)、CoinFund(コインファンド)、Dragonfly Capital(ドラゴンフライキャピタル)、Numeraiの創設者Richard Craib(リチャード・クレイブ)などがNMRの購入者として明らかになっている。
Numeraiは、世界中の不特定多数のデータサイエンティストによる株価の予測結果をもとに投資先を選び、ヘッジファンドを運用する企業。良い結果を導いたデータサイエンティストらには、Numeraiの独自通貨NMR(Numeraire)で報酬が支払われる仕組みだ。
Numeraiの創設者であるRechard Craib(リチャード・クレイブ)氏は「今回の調達した資金は、データのマーケットプレイスであるErasure(イレイシュアー)の開発とトークンのステーク数とユーザーを増やすなど、インターネット上でプロトコルを簡単に利用できるために利用していきます」とThe Blockの取材にコメントしている。
分散型金融領域の分析サイトDeFi Pulseによると、合計210万ドル相当のトークンがErasure Protocolにロックされているとのこと。現在Erasure ProtocolはNumerai社のデータサイエンティスト・トーナメントの基盤技術として使用されているほか、同社の株式予測マーケットプレイス「Erasure Quant」や情報マーケットプレイス「Erasure Bay」でも使用されている。
編集部のコメント
Numeraiは2015年にサンフランシスコでリチャード・クレイブによって設立されました。同社が発行している通貨NMRの発行上限はビットコインと同様の2100万枚となっています。Numeraiは世界中のデータサイエンティストにとって有名なプラットフォームとしての地位を確立しつつあります。
そして資金調達によってトークンがロックされたErasure Protocolを利用したツールであるErasure Bayでは、あらゆるデータを売買することができるようになっています。例えば、核磁気共鳴(NMR)の評価モデル、中国の最も美しい歌、EthereumウォレットAuthereumへのフィードバックなど、様々な領域のデータが蓄積されているようです。これまで株式市場に関するデータの売買のみでしたが、その幅が広がっています。
メルカリのようなモノのCtoCサービスは生まれてきましたが、Numeraiは金融データを中心に価値あるデータのCtoCサービスをブロックチェーンを活用して社会実装しているのだと言ってもいいでしょう。今回のトークンセールには創業者も参加しているということで、ますます今後の展開が楽しみです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock /your_photo・dalebor・LysenkoAlexander)