中国四川省が省内でのマイニング事業の中止を通告か
アジアのブロックチェーンメディアPANewsが、中国四川省がマイニング事業に関する通告を行ったとことを5月22日に報じた。
報道によると、四川省は省内の水力発電企業に対してマイニング事業への投資を中止することを命じ、マイニングを行う企業に対してその活動を秩序立った方法で終わらせるよう導くとのこと。また、この通告に従わなかった場合は人民政府による事業の調査や事業の禁止、罰金などの行政措置が取られるとのことだ。
PANewsが同時に掲載したケンブリッジ大学の調査データによれば、四川省は世界のマイニングパワーのうちの約10%を占めており、今回の通告によるマイニングの供給量への影響が懸念点となっている。
一方ブロックチェーンメディアThe Blockは本件に関する情報筋への取材によって、この通告は強制力はない可能性もあると報じている。
編集部のコメント
今回の通告が事実だった場合の一番の論点は、この通告に強制力があるのかです。もし強制力がある場合、この通告が執行されれば中国でマイニングが行えないことになり、世界のハッシュレートの10%が停止し、ビットコインのセキュリティや価格にも何らかの影響を与える可能性があります。 しかし一方で前述の通りこの通告は強制力を持たない可能性もあると見られており、今まで通りマイニングが行われるとの見方も強いようです。
実際、中国では2019年に国家発展改革委員会によってマイニング事業が有害産業リストに追加されたあとも、依然として国内でのマイニングは行われ続けていました。 また、先日、四川省の雅安(があん)市が水力発電の利用のためにマイニング事業を奨励し補助金を与えるという施策を発表していることから、今回の通告はそのような地方自治体による支援策を否定するために発せられた可能性も考えられます。
いずれにせよ、今回の通告がマイニング市場にどのような影響を与えるのかは、今のところ明確ではありません。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:stockdevil,antoniokhr,ArtHead-)