テックビューロがCOMSA事業の方針変更を発表
テックビューロホールディングス株式会社及びテックビューロ株式会社が、同社のCOMSA事業に関して事業方針の変更することを5月20日発表した。
COMSAとはICO総合プラットフォームとして企業のICOの支援を目指していたプロジェクトだが、COMSA(CMS)トークンのICO後に関連する規制の方向性が示され、扱っていた他社企業ICO案件を中断して2年以上が経過していた。
20日に発表された新たな事業方針により、これまで想定していたICO総合プラットフォームとしての運営を、今後はNFTや譲渡制限機能を実装したトークンの発行支援に変更するとのことだ。
今回の方針変更の理由についてテックビューロホールディングス株式会社及びテックビューロ株式会社は、2018年より2年以上もCOMSAでのICO案件が止まっていることと、今年5月1日の法改正によってもICOに関する明確なガイドラインが示されなかったことを挙げており、このまま明確な規定が設けられていない中で事業を進めることは、同社にとってもCOMSAトークンホルダ―にとってもリスクが高いとの判断から方針の変更に至ったとのことだ。
同社は新たな事業方針として、STOとICOのいずれにも当たらない形でのトークン発行と活用を提案するソリューション事業を挙げている。その中でも実現可能性が高いのがNFTや譲渡制限機能を用いて不特定多数での取引を制限した、暗号資産交換所にて上場不可能なトークンを用いたビジネスモデルの提案だという。
具体的には、まずイーサリアム(Ethereum)トークンやネム(NEM)モザイクに対応した既存の環境を優先的に活用できる範囲から発行支援の提案を再開し、続いてNEM、Symbol、mijinという3つのブロックチェーンを抱合したトークン管理環境をCOMSA COREとCOMSA HUBを用いて構築していくとのことだ。
編集部のコメント
テックビューロホールディングス株式会社およびテックビューロ株式会社は、COMSA関連事業・プライベートブロックチェーンmijinの開発を行っているブロックチェーン企業です。
最近では、異なるブロックチェーン間でトークンのペッグと制御を行い、それぞれの価値をトークンに変換し、総量をコントロールするソフトウェア「COMSA CORE」やmijinとパブリックブロックチェーンの間で残高をコントロールするソフトウェア「COMSA HUB」の製品版を公開していました。
また同社は暗号資産交換所Zaifの運営も行っていましたがハッキング被害を受け、2018年11月に株式会社フィスコへの事業譲渡を発表し、現在Zaifは株式会社フィスコが運営をしています。
またCOMSAが発行していたCMSトークンは、2017年11月ごろに約100億円を調達することに成功し、一躍話題となりました。しかし法整備が未完成であることから2018年1月にテックビューロ社はCOMSA事業の他企業ICO案件をストップし、2月にはCOMSAプラットフォームの事業化に向けた体制を強化すると発表をしていました。なおCMSトークンは現在日本国内ではZaifの取引所サービスでのみ売買が行われています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:Aleksei_Derin,liuzishan)