日本ユニシスがブロックチェーン利用の電子チケット流通サービス「Kimaticke(キマチケ)」の提供開始と年内無償提供を発表
日本ユニシス株式会社がブロックチェーンを利用した電子チケット流通サービス「Kimaticke(キマチケ)」の提供を開始することを5月18日に発表した。
Kimatickeは利用者(加盟店)が電子チケットをいつでも・ 簡単・安全に発行でき、消費者や観光客の送客や地域周遊を実現する社会基盤サービスとのこと。
Kimatickeは昨今の新型コロナウイルスによる外出自粛要請に伴う飲食業・観光業などの事業継続問題の解決や買い占めの抑制、外出等自粛終了後の地域復興の実現を目指すとのこと。
具体的には加盟店が発行した商品やサービスの電子チケットを消費者はスマホアプリを用いて「先買い」をし、先買いしたチケットを実店舗にて商品やサービスと引き換えを行うことができる仕組みだ。
このサービスを利用することで、加盟店は先買いチケットの販売によって事業継続のための資金調達ができ、また消費者は買い占めや在庫不足で商品が購入できない場合に商品引換券が配布され、商品を平等に手に入れることができる。またクーポンや地域商品券を観光客誘致用のプレミアム商品券として販売することで、外出自粛後の地域の経済復興につながるとのことだ。
そしてKimatickeはブロックチェーン技術を利用することでチケットの譲渡なども安全に行えるようになっており、チケットの移転履歴も参照可能となる。
なお2020年5月18日~2020年12月31日の期間は、利用者あたり最大6か月間全てのサービスが無償で利用できるとのことだ。
編集部のコメント
日本ユニシスはICT環境のシステム構築やデジタルトランスフォーメーションなどのビジネスソリューションを提供する大手ITサービス企業です。エネルギーマネジメントやMaaS関連分野など幅広く活動を行っており、特に決済分野を得意領域としています。
同社は今回のサービス提供に向けて、2018年に国内初となるブロックチェーンによる電子チケット(電子バウチャー)の社会実証実験を福島県喜多方市で実施し、2019 年にはブロックチェーンによる電子チケットの観光周遊サービスの本運用を大阪市で行っています。
また同社は2019年に東京大学、関西電力、三菱UFJ銀行と共同で、ブロックチェーン技術を用いた電力取引の実証実験を行ったほか、今年4月には日本セキュリティトークン協会(JSTA)への入会を発表しています。このことから同社はブロックチェーン関連分野にも高い関心を持っていることが伺えます。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:antoniokhr)